北朝鮮の違法金融活動を支援 韓国系ロシア人を独自制裁対象に=韓国政府

【ソウル聯合ニュース】韓国政府は28日、北朝鮮の違法な金融活動を支援したとして、韓国系ロシア人のチェ・チョンゴンを対北朝鮮独自制裁の対象に指定した。政府が韓国系の個人を制裁対象としたのは初めて。

 外交部によると、チェ・チョンゴンは元韓国人で、ロシア国籍を取得後、国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁に違反して北朝鮮政権のための活動を行った。

 具体的には、制裁を回避するためモンゴルにダミー会社を設立して北朝鮮の違法な金融活動を支援した。また、安保理の制裁対象に指定されている北朝鮮・朝鮮貿易銀行のロシア・ウラジオストク代表のソ・ミョンと共同投資の形でロシアに貿易会社を設立した。安保理決議は北朝鮮の団体・個人との合弁事業を禁じている。

 政府は北朝鮮人のソ・ミョンと、チェ・チョンゴンがモンゴルに設立したダミー会社、ロシアに設けた貿易会社の2団体も世界で初めて独自制裁対象に指定した。

 外交部は「チェ・チョンゴンは違法な活動を継続しているため、韓国国内の金融網へのアクセスを遮断することで対北制裁に違反した活動を制約する効果が見込める」と期待を示した。

 今回は、昨年5月に発足した尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権で9回目の対北朝鮮独自制裁となる。尹政権は今回を含め、個人45人と47機関を独自制裁の対象に指定した。

 制裁対象に指定された個人・機関と外国為替取引、金融取引をするにはそれぞれ韓国銀行(中央銀行)総裁、金融委員会の事前許可が必要になる。許可なく取引を行えば関連法にのっとり処罰を受ける可能性がある。

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