米バイデン政権、「中国の偵察気球に米技術」「スパイ活動が目的」と結論

 【NEWSIS】米中関係が一気に悪化するきっかけとなったいわゆる「スパイ気球問題」について、米国のバイデン政権は問題の気球に米国の技術が利用されていたことと、これらがスパイ活動に利用されたと暫定的に結論を下した。複数のメディアが報じた。

 米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は29日(現地時間)、複数の米政府筋の話として上記の内容を伝えた。報道によると、今年2月に米本土上空で発見された問題の気球は写真や動画撮影機器など情報収集に必要な設備が詰め込まれていた。これらの設備は米国製だったという。

 当時バイデン政権は気球を撃墜し、その後米国の国防・情報当局や連邦捜査局(FBI)は米軍が回収した残骸を詳しく調査してきた。その結果、気球には商業用として利用可能な米国製の機器が多数使用されていた。一部はネットで購入可能な製品もあったという。

 また写真や動画、さらにそれ以外の収集された情報を中国に転送するセンサーや設備も備えられていた。これらの結果に基づき、残骸を分析した当局はこの気球について「中国が主張する気象観測用ではなく、スパイ活動が目的だった」との結論を下した。

 WSJは米政府関係者の話として、「気球には既製品と特殊な設備が混載されていた」と報じた。気球にはアラスカやカナダをはじめ、北米大陸の相当な区画の8日分の情報が記録されていたが、これらの情報が中国に転送された痕跡はないという。

 報道によると、米国防情報局(DIA)をはじめとする一部米軍当局は分析を終えた気球の残骸を公開し展示する意向だ。しかしバイデン政権は現時点で気球に関する情報については一般に公開しない考えだという。ウォールストリート・ジャーナルが報じた。

 昨年の米中首脳会談を受けブリンケン国務長官の訪中が予定されていたが、これが今年2月のこのスパイ気球問題で先送りされるなど大きな波紋を引き起こした。その後ブリンケン長官は今月中国を訪問し、現在両国は関係改善を模索する動きを示している。

 ところがバイデン大統領が先日中国の習近平・国家主席を「独裁者」と呼んだことに中国政府は激しく反発した。そのため現時点で両国関係が順調に回復するのは難しそうだ。

キム・ナンヨン特派員

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