対北支援できず仕事なし、全職員が遊んでいる韓国統一部【7月4日付社説】

対北支援できず仕事なし、全職員が遊んでいる韓国統一部【7月4日付社説】

 尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権発足後、韓国統一部(省に相当)の役割に対する疑問の声が相次ぐようになった。文在寅(ムン・ジェイン)前政権当時の2020年に北朝鮮との対話が途絶え、この時から統一部は有名無実化した。統一部は600人の職員を抱えているが、これまで3年近くにわたり特別な仕事もなくただ時間をつぶしただけだ。「統一部無用論」が叫ばれるのも致し方ないだろう。

【写真】どこの国の政府? 韓国統一部のカレンダーに赤文字で金正日の誕生日表記(2月16日)

 統一部は統一政策の開発と推進が主な仕事だ。北朝鮮住民の人権問題改善なども統一部の責務だ。ところが太陽政策以降、統一部は北朝鮮に現金と米を与え、その見返りに南北イベントを行う政府機関に変質してしまった。しかしこれらの支援やイベントが統一にプラスになったとは誰も考えていないだろう。核開発を進める北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権に利用されただけだ。

 統一部は北朝鮮が南北イベントをやめれば一瞬でその仕事がなくなった。するといつの間にか北朝鮮の顔色をうかがい、北朝鮮の機嫌を取るようになった。北朝鮮が開城にある韓国の資産である南北連絡事務所の爆破という蛮行をしても、ろくに抗議さえしなかった。北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)労働党副部長が「ビラまきを禁止しろ」と言った時に、即座にビラ禁止法を国会に提出した部処(省庁)も統一部だ。北朝鮮が出した無意味な声明や侮辱めいた談話も「対話の可能性に言及した」と我田引水式な解釈ばかりしている。国際社会が北朝鮮への制裁を続けているにもかかわらず、北朝鮮を支援する方法を考えることばかりに没頭した。その一方で北朝鮮人権財団の設立は7年にわたり放置している。

 韓国統一部はその目標、役割、機能を原点から改めて考え直さねばならない。それは30年以上前に出された民族共同体方式の統一政策の根幹を維持し、南北の住民が自由民主体制下で共に豊かに生活できる新たな未来の統一構想を取りまとめることだ。脱北者のネットワークを活用し、北朝鮮の政治・経済・社会・文化面での変化を迅速に把握・分析することでこれを対北朝鮮政策に活用することも必要だ。北朝鮮の人権問題の現状を国際社会に知ってもらい、人権問題解決に向けさまざまな方面での努力も傾けねばならない。また北朝鮮住民がさまざまな情報を簡単に入手できるルートを開発することも統一部の仕事だ。

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