IAEA最終報告書、韓米中など11カ国の専門家が2年間福島汚染水を分析

 国際原子力機関(IAEA)は日本の放射能汚染水海洋放出を許可する権限を持つ団体ではない。適法な基準に合わせて浄化した汚染水を領海内に放出するのは、その国固有の権限であり、責任であるからだ。IAEAも4日の最終報告書で、「ほかのすべての国と同様、原子力の安全に関する決定は国の責任だ」「日本の原子力規制委員会は汚染水処理・放出計画を今年5月に承認した」と言及した。

 このため、「IAEAの報告書が指針であり、科学的諮問の結果に過ぎないのにもかかわらず、日本政府は国際社会の理解を得ようとIAEAの安全検査結果を2年間待っていた」という見方が出ている。IAEAはイランや北朝鮮などの核保有問題地域を査察し、戦争で危険な状況が懸念されるウクライナのザポリージャ原子力発電所の問題解決に乗り出すなど、国際社会で最も信頼性の高い原子力関連機関だからだ。事実、日本政府は4日、「ALPS処理水の安全性やその取り扱いについて、国際社会の理解を醸成していく上で、IAEAによるレビューは極めて重要」と述べた。

 IAEAは原子力に関して国際的に共同管理するために1957年に設立された国連傘下の準独立機関で、韓国や日本を含め世界176カ国が加盟している。IAEAは2011年の福島原発事故以降、継続的に福島の状況をモニタリングしており、2021年に日本政府の依頼を受けて福島原発汚染水の海洋放出計画に対する安全性の検討を開始した。

 IAEAは2021年7月、所属職員と韓国・日本・米国など11カ国の原子力専門家からなる「IAEAモニタリング・タスクフォース(TF)」を設けた。韓国からは韓国原子力安全技術院放射線評価室のキム・ホンソク責任研究員が参加している。キム・ホンソク責任研究員は放射性物質分析・評価分野の専門家で、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)の韓国代表として活動している。TFは最終報告書発表前まで計6回にわたり報告書を出した。

 最終報告書でIAEAは「処理水タンクから抽出したサンプルについて、(IAEA)傘下研究所3カ所で分析しただけでなく、韓国・米国・フランス・スイスの第三者分析機関の分析結果を比較し、交差検証を経た」と述べた。これらの国々の研究所でそれぞれ独立して検証したということだ。韓国では韓国原子力安全技術院(KINS)が分析を進めた。同報告書は「すべてのサンプルがIAEA検証団の立ち会いの下で採取された」と明記している。日本がサンプルを操作した可能性はないという意味だ。その上で、IAEAは「IAEA研究所と第三者分析機関はいずれも意味を持つレベルの放射性物質を発見できなかった」と明らかにした。

キム・ヒョイン記者

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