「IAEA最終報告書巡る批判、遺伝子検査で99.9%の親子確認が出ても信じないのと同じ」…海外で活躍中の韓国人研究者たちはどう見たか

 コロナ禍の時にドイツでは「世界の人口を調節するためコロナが作られた」という陰謀論から「反マスク運動」が広がった。しかしドイツ政府が専門家と共に科学的根拠を提示し説得に当たったことで世論は静まった。ユ・ジョンファ氏は「ドイツで陰謀論が政争にまで拡大するのは見たことがない」「極端な考えを持ち互いに対立するグループよりも、中立的な人たちに科学的なファクトを伝えること。これに力を入れることが重要だ」と述べた。

■「国民に説明し説得するプロセスが重要」

 出席者らは韓国政府に対してより主体的な対応を求めた。ユ・ジョンファ氏は「政府は国政を担当する主体であり、第1次的な責任者であるため、『あなたたちはなぜ信じられないのか』で終わらせてはならない」「結果が正しいとしか主張しないやり方は無用な論争をもたらすだけだ」と警告した。

 ユ・ジョンイル氏は「大討論会を提案したい」とした上で「政府や研究機関、市民団体、漁業関係者など関係者全員が公の場に出て話し合ってほしい」と呼び掛けた。キム・ジュンボム教授は「フランスでは論争が起こればまず討論をするが、韓国ではそんな余裕はなさそうだ」「国民に説明し、説得する段階があまりに短いことが問題だ」と指摘した。

 科学に従事する立場として自省の声も聞かれた。無条件に正しいと主張するのではなく、大衆の目線を無視してはならないという意味だ。キム・ヨンギ氏は「最近はSNS(交流サイト)からは情報を得るが、その一方で科学に不信を持つ人が世界的にも増えている」「科学技術の研究者が大衆にしっかりと理解してもらうことも課題だ」と述べた。今回座長を務めた韓国科学技術院(KAIST)のキム・ミョンジャ理事長(元韓国環境部〈省に相当〉長官)は「国民の不信が高まり、政治的に二極化が進んだこの困難な状況の打開に向けては、科学と科学者の役割が何よりも重要だ」と締めくくった。

キム・ヒョイン記者、ファン・ギュラク記者、柳智漢(ユ・ジハン)記者

【図】海外で活躍中の韓国人研究者たちはIAEA最終報告書を巡る批判をどう見たか

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