IAEA「福島処理水最終報告書の作成に日本が介入したとの疑惑は虚偽」

IAEAのグロッシ事務局長が韓国へ
国会で報告書について説明を行う予定

 【NEWSIS】「日本の福島原発汚染水に関する最終報告書作成に日本が介入した」とする一部の主張について、国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長が「事実無根」とした上で「報告書は公正かつ客観的だ」と重ねて強調した。米政府系ラジオ「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」が7日(現地時間)に報じた。

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 韓国の野党などはIAEA報告書について「政治的報告書」と主張し「作成過程で日本が介入した」との疑惑を主張しているが、VOAがこれに対するコメントを求めたところ、IAEA報道官室は6日に上記の立場について説明した。

 IAEAは「IAEAは基本方針に基づき、加盟国の当局者や政治家の発言についてはコメントしない」とする一方「ただしIAEAの公正かつ科学的で客観的な調査結果に対し、外部の当事者が何らかの方法で影響を及ぼしたとするいかなる疑惑も全く根拠がなく、虚偽だ」と強調した。

 韓国野党・共に民主党の朴光温(パク・クァンオン)院内代表は3日の同党最高委員会で「IAEAの報告書は客観的な報告書というよりも、日本の意向に合わせた報告書との懸念が大きく、科学的報告書というよりも政治的報告書との懸念も大きい。誰もがそのように考えている」と述べた。

 日本は福島汚染水を海に放流する方針を決め、IAEAに調査を依頼した。要請を受けたIAEAは2021年7月に11カ国の専門家からなる調査団を立ち上げ、部門ごとの中間報告書を公表し、今月4日には包括的評価が記載された報告書を公表した。

 報告書は「日本が計画通り放出を行った場合、人体と環境に及ぼす影響はわずか」と伝えている。

 IAEAのグロッシ事務局長は4日に東京で会見を開き「(日本が)提案し修正した計画はすでに合意された国際基準に適合する」「(日本)政府がその適用を決めた場合、水質や魚類、堆積物など環境に及ぼす影響はごくわずかだ」と説明した。

 韓国大統領室の関係者は韓国メディアの取材に「IAEAの発表内容を尊重する」とした上で「国民の健康と安全を最優先にしたい」とコメントした。

 米国務省も5日「日本の福島第一原発処理水放出計画が国際的に認められた原子力安全基準に適合し、安全とするIAEAの報告書を米国は歓迎する」と発表した。

 これに対して中国外交部(省に相当)はIAEA報告書について「専門家の意見を十分に反映できていない」「性急に報告書を出したことは遺憾」との立場を4日にウェブサイトで公表した。

カン・ヨンジン記者

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