「国を宮坪地下道に押し込んだ」 尹大統領のキーウ訪問を批判した共に民主・金宜謙議員の発言が波紋

水害を例えに出して尹大統領の「キーウ訪問」批判

 尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領がロシアと戦争中のウクライナの首都キーウを電撃訪問したことについて、野党・共に民主党の金宜謙(キム・ウィギョム)議員が17日、「祖国と民族の運命を『宮坪地下道』に押し込む行為」と発言した。忠清北道清州市内の宮坪地下道では今回の豪雨による水害で同日までに13人が死亡し、現在も捜索が行われている。惨事の現場を大統領攻撃の比喩の対象として利用したのだ。これが物議を醸すと、金宜謙議員は同日午後、「尹大統領の対ロシア政策の危険性を強調しようとする気持ちが先走り、ご遺族の心情を察することができなかった」「ご遺族に謝罪申し上げる」と述べた。共に民主党は今回の尹大統領のウクライナ訪問について、「ロシアと敵対するもの」「米大統領のまね」と激しく非難している。与党は「6・25戦争(朝鮮戦争)時、ほかの国々がそのように考えたならば、大韓民国は存在しないだろう」と批判した。

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 共に民主党の国防委員会・外交統一委員会・情報委員会に所属する議員らは同日、国会で記者会見を開き、「国の災害時にいなかった尹大統領がウクライナに突然現れたのは、大韓民国の安保を危機に陥れかねない行動だ」と批判した。尹大統領がウクライナを訪問したことが、ロシアを敵にし、韓半島(朝鮮半島)の危機を高める恐れがあるという意味だ。情報委員会所属の金宜謙議員は会見後、記者団に対し、「これまではロシアと中国の銃口は太平洋側に向かっていたが、尹大統領が(ウクライナで)述べた言葉と行動により、その銃口を韓国に向けかねなくなった」と言った。その上で、「中国とロシアはまるで氾濫する川のようだ」と述べ、今回の首脳外交を「水害」に例えた。

 同日、共に民主党国防委員会・外交統一委員会・情報委員会に所属する29人が出した共同声明書には、李在明(イ・ジェミョン)代表とパク・クァンオン院内代表の名前もあった。声明には「(朝鮮戦争時)ソ連を構成していたウクライナは我々に痛みと傷跡を残した」という言葉もあった。当時、ソ連に併合されていたウクライナも6・25南侵(1950年6月25日に北朝鮮が38度線を越えて朝鮮戦争が始まったこと)をけしかけた責任があるということだ。これに対しては、「このような論理なら、日本の植民地だった韓国にも日本が起こした太平洋戦争の責任があるということか」という指摘が出ている。

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  • ▲共に民主党の金宜謙(キム・ウィギョム)議員

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