ドラッグで崩壊…没落の道たどる米サンフランシスコ

ドラッグで崩壊…没落の道たどる米サンフランシスコ

 18日(現地時間)、米サンフランシスコ中心部の大型フードコート「ラ・コシーナ・マーケットプレイス」正面入口前には、腰をかがめた人々があちこちに並んでいた。これらの人々は全員、麻酔にも使われる鎮痛剤「フェンタニル」に酩酊(めいてい)している人々だ。 その付近も半裸で布団をかぶって横になっている人々や、目の焦点が合わないまま歩道に腰掛けている人々であふれていた。ラ・コシーナは2021年、非営利市民団体とサンフランシスコ市、米連邦政府が「都市再生」を呼びかけ、古い郵便局を改装して始めた大型プロジェクトだった。その趣旨は、スラム化するサンフランシスコ中心部を再生させることで、予算と寄付金495万ドル(約6億9000万円)をつぎ込んできた。しかし、今年9月に運営を中止する。運営費は毎月20万9000ドル(約2900万円)だが、収益は2万4000ドル(約340万円)に過ぎず、赤字に持ちこたえられなくなったためだ。

【写真】「フェンタニル」に酩酊してかがむ人々

 ラ・コシーナで飲食店を経営するモニル・バロウルさん(46)は「あなたならドラッグの取引が公然と行われているこの場所に、子どもと一緒に食事をしに来るかい?」と問いかけた。地元紙サンフランシスコ・クロニクルは「全米で話題を集め、公務員まで総動員された事業が存続できないなら、誰がサンフランシスコで生き残れるだろうか」と言った。

 世界で最も「ヒップな(イケてる)都市」と呼ばれ、世界中の観光客やイノベーターたちを呼び集めてきたサンフランシスコが、ドラッグや犯罪で急激に没落しつつある。今年サンフランシスコでドラッグにより死亡した人は、公式に集計されたケースだけでも406人に上る。人口1000人当たりの犯罪率は48.94件で、米国平均(19件)の2倍を大幅に上回る。 新型コロナウイルス感染症の流行以降、景気低迷による大量解雇とホームレス急増がドラッグ使用や犯罪を増やしているが、公権力はお手上げ状態で放置したままだ。AP通信は「サンフランシスコは都市があってはならない姿を示す事例になった」と報じた。

シリコンバレー=オ・ロラ特派員

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