「VIP訪中に影響」「THAAD環境評価延期」…文政権時代の文書を初確認【独自】

2019年の文大統領訪中を前に韓国国防部が作成
当時文在寅政権は環境影響評価について「住民の反対で延期する」と説明

 文在寅政権が評価協議会発足を2020年1月とする方向で再検討したかどうかはこれまで伝えられてこなかった。評価協議会が構成される前の段階となる評価準備書の作成は2019年12月に終了し、国防部は米国側の要請を理由に評価協議会発足目標の時期として2020年5月や2021年2月などを提示した。ところが評価協議会は文在寅政権の任期が終了するまで発足しなかった。与党などは「青瓦台など上からの圧力があった」とにらんでいる。申議員は「住民の反対が理由とする文在寅政権の説明と相反する事実が明らかになった。そのため文前大統領を含め、誰の指示でTHAAD基地の環境影響評価が遅延したかを監査院による監査と検察の捜査で解明しなければならない」と指摘した。

 国防部が2020年7月に作成した「星州基地環境影響評価推進計画報告書」などには評価遅延に対する米国の不満や不安なども記されている。環境影響評価後の手続き開始と終了の時期について、国防部は2020年6月の韓米課長級会議で「時期は特定できない」と説明した。米国は環境影響評価前であっても、韓国電力によるTHAAD基地への商業用電力供給を要請したが、韓国政府はこれを拒否した。その後米国が「レーダー施設だけでも電力供給に必要な工事をさせてほしい」と要請していたことも分かった。基地前で行われていた反対デモのため、米軍はヘリで搬入した燃料を使って移動式発電機を回し、これを使ってTHAADレーダーを稼働させていた。最終的に2020年7月にエイブラムス韓米連合司令官(当時)が韓国国防部に書簡を送り「環境影響評価の遅延は兵士らの生活条件や基地の能力に影響する」とした上で、環境影響評価が早期かつ迅速に行われるよう支援を要請した。

 これら一連の状況は「一般環境影響評価とは関係なく、文在寅政権の5年間にTHAAD基地が正常に運用され、米国が感謝を伝えた」とする文在寅政権関係者の主張と相反するものだ。ある与党関係者は「この文書はTHAAD基地正常化を目指す当時の米国の焦りを示すものだ」とした上で「当時の軍事施設企画官が作成したこの報告書を受け、国防部長官と国家安保室がどのように対応したのか調査が必要だ」と指摘した。

パク・スチャン記者

【写真】「韓中間の既存の約束:三不合意、2017.10月」と記載

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