共に民主党の福島汚染水巡るデマの寿命は最長で残り9カ月【コラム】

来年4月の総選挙が終われば
共に民主党議員は誰も
「怖いうわさ」を口にしなくなるはず
そんなことあったっけと言わんばかりに
刺し身も食べるはず
狂牛病で大騒ぎした時のように

 数日前、友人が夕食会の場所をソウル市銅雀区鷺梁津にある水産市場にしようと言った。皆快く同意した。水産市場を訪れてみたところ、水槽で魚を売っている店は閑散としていた。刺し身にして家に持ち帰る客足が減ったという。ところが飲食店街に行ってみると、そこには多少異なった風景が広がっていた。ほとんどの飲食店で空席が目立ったが、半数から3分の2程度は埋まっているようだった。「15年前の狂牛病の際の大騒動に比べれば、はるかにまし」という言葉に誰もが同意した。

【写真】李舜臣の銅像に上ってデモを行う民主労総のメンバーら

 2008年に発生した狂牛病事件の際にばらまかれたチラシをある人が送ってくれた。チラシのタイトルは、大きな字で書かれた「皆死にます!」だった。その下に「私たちの両親、兄弟、子どもたちが危険です!」とつづられており、「エイズよりも恐ろしい狂牛病にかかった牛肉、学校および軍隊で最初に強制」と書かれてあった。続いて「米国産牛肉が輸入されれば!!」とあり「脳にスポンジのように穴が空き、手足がまひして苦痛を訴え死ぬことになります」と書かれてあった。「日本人は自国民の保護に関心のない韓国の公務員たちを間抜けと呼んでいる」とし「ラーメンのスープ、生理用ナプキン、おむつ、ゼリー、薬のカプセル、各種化粧品、ソルロンタン(牛骨牛肉のスープ)、お菓子など生活必需品の全てに米国産牛肉の成分が使用されている」と主張した。さらには「大統領がマスコミを全て封鎖措置!」と書いた。

 最初から最後までが、うそかとんでもない誇張だった。しかし、韓国国民の3分の2以上がこの「怖いうわさ」を信じた。当時は李明博(イ・ミョンバク)政権発足後数カ月足らずの時だった。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権と完全に一つになっていたテレビ局は、新政権に対する敵対意識を「怖いうわさ」をつくり上げ広げることで表現した。毎日のように狂牛病デモを生中継した。大統領選挙に大敗して政権を失った民主党は、これを格好の材料として利用した。結局、女子中学生たちが「脳に穴が空いて死ぬことになった」と泣きわめくなど、社会全体が発作症状を見せる状況となった。

 当時は一時、米国産牛肉の輸入が激減し、ほぼゼロに近い水準にまで落ち込んだ。自宅近くで米国産牛肉を売る肉屋に行ったところ、「1週間目にして初めてのお客さん」と言われた。全国の焼き肉店ががらんとしていた時期もあった。筆者は当時、「狂牛病にまつわる『怖いうわさ』はうそで誇張された」という内容の記事を3回書いたが、実際に殺害を匂わす脅迫メッセージまで受け取ることになった。朝鮮日報の記者がデモ隊に集団暴行を受け、朝鮮日報の建物に汚物がまき散らされた。狂って走り回るという意味の「狂奔」という単語はこのようなときにこそ使用するのだと思った。現在の福島にまつわる「怖いうわさ」は狂牛病の際の騒動に比べれば軽いハプニングに過ぎない。

 驚くべきことはゼロに近かった米国産牛肉の輸入量が再び1、2位を奪還するまでには長い時間がかからなかったということだ。もはや狂牛病を恐れる人など誰もいない。うそは生命力が弱く、大衆はしばらくだまされることはあったとしても、最後までだまされ続けることはないという真理を再確認させた。

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  • ▲7月5日午後、ソウル市銅雀区鷺梁津にある水産市場で店主たちが客を待っている。/聯合ニュース

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