韓国各地に届く不審な国際郵便、台湾ではなく中国発だった…中国通販業者による「ブラッシング詐欺」か

 先日韓国国内で相次いで通報があった台湾からの不審な国際郵便物について、台湾政府が「最初に発送された場所は中国」と明らかにした。台湾行政院の鄭文燦・副院長(副首相に相当)は「問題の小包は中国本土から台湾を経由する形の国際郵便だった」「台湾内政部(内務省)警政署刑事警察局(刑事局)が専門の担当チームを立ち上げて捜査を行っている。最後まで実態を解明したい」と説明した。

【写真】発信元が同じ…台湾から韓国に届いた不審な郵便物と3年前カナダに届いた郵便物

 台湾刑事局によると、問題の郵便物は中国の深センから台湾に「貨転郵」と呼ばれる貨物郵便で発送され、その後中華郵政(台湾交通部〈省ら船便で台湾に送られた小包や手紙は台湾に正式には持ち込まれず、簡単なX線検査だけで再び最終目的地に送られる。このサービスを主に利用する顧客は中国本土のオンライン通販会社など、海外向けの配送業務が多い企業が多数を占める。中国では郵便システムが飽和状態のため、たびたび遅延が起こる中国から直接航空便で小包を送るよりも、貨転郵を利用した方が時間も費用も節約できるからだ。台湾メディアの鏡新聞などによると、毎年このサービスで500トン以上の貨物が発送されているという。

 韓国で最近相次いで発見された不審な郵便物も台湾の貨転郵サービスを通じて送られていた。問題の郵便物の多くは黄色か黒の封筒に「CHUNGHWA POST(中華郵政)」「PO Box 100561-003777, Taipei Taiwan(台北・台湾)」などと記載されていた。これは特定の住所を意味するのではなく、貨転郵サービスにより台湾経由で送られた郵便物という意味だ。

 台湾や香港など中華系の複数のメディアは今回の事件について、いわゆる「ブラッシング詐欺」の可能性を指摘している。ブラッシング詐欺とはオンライン通販会社が商品を無作為で発送し、その商品が売れたことにして販売の実績と評点を捏造(ねつぞう)する手口のことだ。中華郵政の林立富・副処長は「今回問題となった郵便物は品目名にリップバームや化粧コットンなどと記載されているが、これらは(オンライン通販の)業者が中身を偽るときによく使う品目だ」と説明した。

 ブラッシング詐欺は最近世界中で問題になっている。2020年7月には米国やカナダに中国の蘇州から注文もしていない郵便物が相次いで届けられ、住民の間で不安が広がった。郵便物の送り状には「おもちゃ」「宝石」などと記載されていたが、実際は朝顔などの種が中に入っていた。昨年10月には済州道西帰浦市内のある建物に台湾から正体不明の小包が届いた。警察が捜査したところ、これもブラッシング詐欺目的だったことが分かった。米国最大のオンライン通販サイトのアマゾンはホームページで「注文していない品物が届いた場合、ブラッシング詐欺の可能性が高いので必ず通報してください」と呼び掛けている。

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  • ▲有害な疑いがある国際郵便物/聯合ニュース

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