中国から韓国各地に不審な郵便物…韓国政府「テロと関係なし」

　韓国各地に中国から届いた正体不明の郵便物について、首相室国務調整室対テロセンターは24日「国家情報院などテロ対策機関と共同でテロとの関連を分析したところ、現時点でそのような関係性は見いだせなかった」と発表した。対テロセンターは「海外から発信元不明の郵便物が届いた場合、関係機関に通報してほしい」と呼びかけている。

【写真】発信元が同じ…韓国に届いた不審な郵便物と3年前カナダに届いた郵便物

　警察は問題の郵便物について「ブラッシング詐欺」の可能性を念頭に捜査を行っているという。ブラッシング詐欺とはオンライン通販会社が無作為で商品を発送し、これを販売済みとして処理し業績を上げる詐欺の手口だ。問題の郵便物は当初台湾からと考えられていたが、台湾は「台湾は経由地で、実際は中国から送られたもの」と発表した。

　一連の郵便物について韓国警察庁の尹熙根（ユン・ヒグン）長官はこの日の会見で「化学物質に関係するものは今のところなく、ブラッシング詐欺と推定している」と明らかにした。その上で尹長官は「最初に蔚山で通報を受けた件では多少のまひ症状も出たようだが、国防科学研究所に分析を依頼したところ、有毒性がないことが確認された」「この他にも有毒性に関する報告やこれについて確認されたことはない」と説明した。

　尹長官は「ブラッシング詐欺は犯罪ではないとは考えていない」「送り先の住所をいかに手に入れたかなど、疑わしい点もあることから、中国にも協力を要請したい」との考えを示した。この日午後5時の時点で同様の郵便物に関する通報は全国で2623件に上った。

キム・シンヒョン記者、キム・ギョンピル記者