北朝鮮に軽油密輸未遂、韓国の業者を逮捕【独自】

 対北朝鮮制裁に違反し、船舶用軽油を密輸出しようとしたとして、石油輸出入業者の代表A容疑者が今月21日、検察に逮捕された。軽油は軍事転用される可能性があり、政府の許可なしで北朝鮮に軽油を輸出する行為は、国連安保理の対北朝鮮制裁決議、南北交流協力法に違反する。

 全州地検群山支庁によると、A容疑者はロシアなどから軽油を輸入後、他国に転売する事業を行っており、2021年から22年にかけ、北朝鮮への軽油供給をあっせんするブローカーと接触していた。

 A容疑者は軽油を中国に輸出するかのように装う輸出書類を作成し、実際には北朝鮮に軽油を密輸しようとしたとみられている。南シナ海で中国船に軽油を引き渡し、北朝鮮船が中国船から軽油を受け取る「瀬取り」方式で密輸を図ろうとしていた。

 その過程でA容疑者は軽油代金の一部約200万ドル(約2億8000万円)を前金として受け取ったが、輸出過程に支障が生じ、軽油は北朝鮮に渡らなかったという。

 検察はA容疑者を南北交流協力法違反未遂、犯罪収益隠匿規制法違反、関税法違反などの疑いで逮捕した。検察はA容疑者がブローカーから受け取った前金200万ドルの出所が北朝鮮である可能性が高いとみて、資金の流れを追跡している。A容疑者が接触したブローカーも検察の捜査線に浮上しているという。

 国連安保理は2017年12月、北朝鮮への精製石油供給を年間50万バレル(約6万トン)に制限する内容の制裁案を採択した。その後、北朝鮮側が公海上での瀬取り方式で石油類を密かに調達し、摘発される事例が相次いでいる。

兪鍾軒(ユ・ジョンホン)記者

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