中ロの代表団招いた金正恩氏 兵器紹介・公演鑑賞で「結束」誇示

【ソウル聯合ニュース】北朝鮮と中国、ロシアが20世紀の陣営間の戦いだった朝鮮戦争の休戦70年行事を機に一堂に会し、21世紀の「新冷戦」の構図が鮮明に現れた。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)は中ロの代表団を平壌に招き、ロシアとは軍事協力、中国とは「血盟」の連帯を強化して米国との対立構図の中心的役割を自任している。

 北朝鮮メディアによると、正恩氏は北朝鮮が「戦勝節」と呼ぶ朝鮮戦争休戦協定締結日(7月27日)を控えた26日、ロシアのショイグ国防相、中国共産党の李鴻忠政治局員と平壌でさまざまな活動を共にした。

 北朝鮮が新型コロナウイルス感染症対策として2020年初めに国境を封鎖して以降、外国要人の大規模な訪朝は今回が初めてとなる。

 とりわけ、プーチン大統領の親書を携えたショイグ氏らロシア代表団の訪朝は、現在の国際情勢と相まって注目を集めている。ウクライナへ侵攻したロシアの国防トップがモスクワから遠く離れた北朝鮮へ足を運んだ背景には、単なる記念行事出席という公表した目的以上の狙いがあるとみられている。ショイグ氏は26日、正恩氏と面会して親書を手渡し、強純男(カン・スンナム)国防相と会談した。

 ロシアは国際社会の支援を受けるウクライナの強い抵抗に押され、侵攻で思うような成果を上げられずにいるうえ、ミサイルや弾薬といった兵器や軍需物資が不足しており、北朝鮮との兵器の秘密取引疑惑が取りざたされてきた。ショイグ氏の訪朝を機に、ロシアが北朝鮮から兵器の提供を受け、経済的・軍事的な見返りを与えるという「取引」が話し合われた可能性は小さくない。

 正恩氏がショイグ氏とともに兵器展示会を訪れたことは、こうした見方に説得力を与える。北朝鮮は保有するさまざまな兵器をショイグ氏に紹介しており、兵器輸出を念頭に置いているようだ。
 展示会場では、ショイグ氏が短距離弾道ミサイルとみられる兵器の発射場面を収めた写真をじっくり見つめている様子が捉えられ、米軍の無人機「グローバルホーク」や「リーパー」に似た形の機体も確認された。ロシア軍はウクライナ戦争にミサイルや無人機をつぎ込み、現在は在庫が底をついているとの見方もあり、こうした兵器に関心を示したと推定される。

 核兵器の開発と高度化に打ち込む北朝鮮が、「核先進国」のロシアから核弾頭の小型化、多弾頭化、ミサイルなどに関する技術を得ようとする公算が大きいことも懸念されている。

 北朝鮮は長年、ミサイルに関してロシアから技術を導入してきた。北朝鮮の最新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星18」はロシアのICBM「SS27M2」に似ていると分析されている。

 一方、朝鮮戦争のころから時に北朝鮮の頼もしい後ろ盾となってきた中国も休戦協定締結70年に合わせて平壌に代表団を送り、中朝の「血盟」関係を改めて印象付けた。

 中国は朝鮮戦争で、約240万人を「人民志願軍」の名前で派兵した。中国ではこれを「米国に対抗して北朝鮮を支援した」という意味で「抗美援朝」と呼んでいる。正恩氏は戦勝節を前に北朝鮮の戦死者の墓だけでなく中国人民志願軍烈士陵園も訪れ、中国との連帯を示した。

 正恩氏は平壌でショイグ氏、李鴻忠氏とともに戦勝節の記念公演を鑑賞し、内外に中朝ロの結束を誇示した。

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