ソウル・南山の慰安婦追悼公園、強制わいせつで起訴された「韓国民衆美術界の巨匠」の手で造られていた(下)

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■強制わいせつから3年後に慰安婦被害者の追悼公園を設計

 「林玉相研究所」のスタッフとして働いていた被害者Aさんが林玉相被告から強制わいせつの被害に遭ったのは2013年8月のことだ。それから3年後、同被告は慰安婦被害者のための公園を設計し、大衆の前に出て「作品意図」を発表した。Aさんの弁護人を務めるキム・ジェリョン弁護士は本紙の電話取材に「被害者は同じ美術界に携わる者として、絶大な力を持つ加害者が反省せず、対外活動を継続していることを長年にわたりニュースで見て、深い怒りと恐怖、絶望を感じ、林玉相被告に法的責任を問うため、自らの内面を強くする時間が必要だった」「今年2月に勇気を出して告訴した」と説明した。公訴時効満了まであと1カ月という今月6日に検察が懲役1年を求刑し、来月17日に判決を控えている。

【写真】ナヌムの家に展示されている強制わいせつ犯・林玉相被告の作品「大地-母」

■「ナヌムの家」や国立現代美術館にも作品が…

 京畿道広州市にある、慰安婦被害者たちが暮らす施設「ナヌムの家(分かち合いの家)」にも林玉相被告が慰安婦被害者たちのために製作した作品が展示されている。下半身が地面に埋まり、地面の上に両手と上半身を出し、垂れ下がった胸をあらわにした高齢女性が考え込んでいる様子の「大地-母」という連作だ。

 国民の税金で運営されている国の施設の展示にも同シリーズの作品が展示された。国立現代美術館ソウル館で昨年10月から今年3月12日まで開催された「林玉相:ここ、立ち上がる地」という展示会だ。民衆美術系の美術評論家出身のユン・ボムモ館長=当時=が主導して開催された個展で、被害者Aさんが警察に告訴したのは同展示会の真っ最中だった2月だった。同美術館関係者は「『林玉相被告の回顧展をソウル館で開催するのは、(施設の)性格上、ふさわしくない』と内部学芸員の反対が多かったが、館長が無理やり開催を続けた」「林玉相被告の強制わいせつについては最近のニュースで知った」と話した。ある美術界関係者は「強制わいせつ犯が慰安婦被害者のための作品を作り、そのイメージを前面に押し出して国立機関の展示作品として出したというのがおぞましい」「林玉相被告が残したモニュメントは全国各地にあるが、何よりも先に慰安婦被害者たちのための作品は直ちに撤去を決めなければならない」と述べた。

 1970-80年代に民衆運動に参加した林玉相被告は、第18代・第19代大統領選挙で文在寅(ムン・ジェイン)元大統領支持を公表していた。同被告が描いた朴槿恵(パク・クンヘ)大統領弾劾ロウソク集会の作品は、文在寅氏の大統領就任時、青瓦台(韓国大統領府)本館に掲げられた。美術評論家チョン・ジュンモ氏は「女性の人権と慰安婦被害者たちの人生を思い返せば、撤去以外に答えはない」「このようなことに対し、いつもなら烈火のごとく怒り、見解を表明してきた女性団体は現在沈黙しているが、これは何を意味するのだろうか」と語った。

許允僖(ホ・ユンヒ)記者

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