■『アモール・ファティ』の大ヒットで老若男女誰もが知る歌手に
キム・ヨンジャさんはさまざまなヒット曲のうち、一番大切にしている「宝物」に『アモール・ファティ』(運命愛の意)を挙げた。2013年にリリースされたこの曲は、その4年後に突然、チャートを席巻した。若者たちがビートのきいたエレクトロニック・ダンス・ミュージック(EDM)調のこの曲に夢中になり、リリースからかなりたってヒットしたのだ。
ありがたい歌だった。日本で人気歌手として活動していた間に、韓国での居場所は次第に消えていっていた。2009年に『10分以内に』というヒット曲を出したが、曲は知られても、「キム・ヨンジャ」という名前はあまり広がらなかった。そうした中で『アモール・ファティ』が突然、チャートを席巻し、「キム・ヨンジャ」の名が再び知れ渡ったのだ。若者の間で人気を集め、大学祭にも呼ばれるようになった。
日本では韓服の衣装にこだわっていたが、韓国ではパンツスーツに変わった。軽快で楽しい歌とステージ・パフォーマンスが人気になったため、華やかなパンツスーツとショートヘアのウィッグがキム・ヨンジャさんの新たなシンボルになった。それでも、華やかな花柄はデビュー時と同じだ。
キム・ヨンジャさんは「最近、一番大事にしている韓服」とパンツスーツの衣装を見せてくれた。韓山カラムシ(忠清南道・韓山特産の植物カラムシを材料にした織物)の職人が一針一針精魂込めて作ったという。ハングル文字が金糸で刺しゅうされており、ラインストーンも華やかに輝く。キム・ヨンジャさんは6月末、日本で公演を行う予定だ。8月には新曲のリリースも計画されている。彼女の人生を彩った、日本で大事に着ている韓服をまた着るつもりだ。「今、また韓服を取り出して着る時が巡ってきました。胸がときめくままに生きる『アモール・ファティ』が再び繰り広げられるでしょう!」
崔宝允(チェ・ボユン)記者