北朝鮮の22年成長率マイナス0.2% 3年連続減=韓国中銀

【ソウル聯合ニュース】韓国銀行(中央銀行)は28日公表した北朝鮮経済に関する報告書で、北朝鮮の2022年の実質国内総生産(GDP)が前年比0.2%減少したとの見方を示した。20年から3年連続のマイナス成長となる。韓国銀行の担当者は「北に対する国際社会の経済制裁と(北朝鮮が新型コロナウイルス対策として取っている)国境統制が続いており、気象条件の悪化なども響いた」と説明した。

 韓国銀行は国連が定める国民経済計算の体系に関する基準(SNA)に準拠し、北朝鮮の成長率などを推計した。
 北朝鮮のGDPは15年の1.1%減から16年は3.9%の増加に転じたが、その後はおおむねマイナス成長が続く。17年がマイナス3.5%、18年がマイナス4.1%。19年はプラス0.4%だったものの、20年は再び4.5%のマイナスとなり、21年に0.1%、22年も0.2%、それぞれ減少した。22年の名目GDPは前年比0.9%増加した。

 昨年の経済成長を産業別にみると、農林漁業が前年比2.1%、鉱工業も1.3%減少した。鉱工業は鉱業が4.6%増加した一方で、製造業が重化学工業(9.5%減)の落ち込みにより4.6%減となった。建設業は2.2%増加した。またサービス業が1.0%、電気・ガス・水道事業が3.5%、それぞれ伸びた。

 北朝鮮の22年の名目国民総所得(GNI)は36兆7000億ウォン(約3兆9960億円)で、韓国(2193兆5000億ウォン)の1.7%にとどまった。1人当たりGNIも143万ウォンと、韓国(4248万7000ウォン)の3.4%程度だった。北朝鮮の人口は2566万人で、韓国のほぼ半分とみられる。

 22年に北朝鮮の貿易額(韓国との交易除く)は15億9000万ドル(約2210億円)だった。前年比122.3%増と、国際社会による制裁後では初めて増加した。輸出が鉱物性生産品や石油製品などを中心に前年比94%増の1億6000万ドル、輸入も鉱物性生産品やプラスチック・ゴムなどが増え、126%増の14億3000万ドル。

 韓国銀行は「朝中(中朝)交易が一部再開し、北朝鮮の国境封鎖もやや緩和された」と説明した。ただ、制裁前に比べるといまだに低水準にとどまるという。 

 韓国の昨年の貿易額は1兆4149億5000万ドルで、北朝鮮の892倍にあたる。

 22年の南北間の搬出入規模はわずか10万ドルだった。16年は3億3260万ドルに上ったが、南北経済協力事業の北朝鮮・開城工業団地の稼働停止後は急減。20年が390万ドル、21年は110万ドルと大幅な減少が続いている。

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