兵員不足のロシア、徴兵年齢上限を30歳に引き上げ…「200万人の追加招集も可能」

 ロシアで軍への招集年齢上限をこれまでの27歳から30歳に引き上げる法案が議会下院で可決された。今後この法案が成立し大統領が署名すれば、ロシアで大規模な追加招集が可能になる。

 英ガーディアンやフィナンシャル・タイムズなど外信各社は26日(現地時間)、ロシアで徴兵年齢を18-30歳に見直す法律改正案が議会下院国防委員会で可決されたと報じた。適用は来年以降になるという。現行の徴兵年齢の上限は27歳だが、改正案によりこれが直ちに30歳に引き上げられる。また下限は今の18歳を当分維持するが、その後段階的に21歳に引き上げることも定められている。

【動画】被弾して落下、爆発・炎上するロシア軍攻撃ヘリKa-52

 今後連邦評議会(議会上院)の承認とプーチン大統領の署名を経て法案は発効する。ロシア連邦議会下院のアンドレイ・カルタポロフ国防委員長は「今も18歳で軍への入隊を希望する国民が多いため、下限については現行のままとし、上限だけを30歳に変更した」と説明した。

 ロシアはウクライナとの長期戦に備えて徴兵対象者を広げる必要があるため、この法案は動員令なしにウクライナ戦線に新たな兵力を増員する狙いがあるとみられる。昨年9月にロシア政府が動員令を出した際、対象となった男性の多くが戦争から逃れるためロシアからの脱出を図った。人口統計学者のアレクセイ・ラクシャ氏は「この法案が来年1月に発効すれば、2027年までに潜在的徴兵対象者が200万人以上増えるだろう」と予測している。フィナンシャル・タイムズが報じた。

 これまでロシアは兵力不足問題解決のためさまざまな法案を成立させてきた。先月にはプーチン大統領がパスポートの放棄を義務づける法案に署名し、その結果徴兵対象者は招集令状を受けた日から5日以内にパスポートを内務省移民局か地方自治体へ提出することが義務づけられた。予備役の上限を70歳に引き上げる法案も成立した。さらに正当な理由なしに兵役に応じない場合の罰金をこれまでの3000ルーブル(約4600円)から5万ルーブル(約7万6000円)へと16倍に引き上げる法案も審議中だ。

 ロシア国防省は昨年末、正規軍の兵力をこれまでの100万人から150万人に増やすと発表した。現在ロシアでは正式契約で副士官を募集する募兵制と、一定年齢を対象に招集を行う徴兵制が並行して行われている。招集法では1年間の兵役が義務づけられている。

イ・ヘジン記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲写真=UTOIMAGE

right

あわせて読みたい