「北のドローンに10倍反撃」という韓国軍、実戦対策は不十分

【写真】京畿道竜仁市の第3野戦軍司令部に所属するドローンボット戦闘団が部隊周辺の滑走路でドローンとロボットの運用技術の演習を行っている/韓国陸軍本部

 北朝鮮のドローン(小型無人機)による脅威が高まるにつれ、韓国軍はドローン作戦司令部を設置するとともに、従来の防御中心の作戦から脱却し、攻撃作戦にも主眼を置く方針だ。また、北朝鮮の無人機を直接撃墜するヘリコプター搭載用ドローンガンを導入するなど、積極的な対応に乗り出している。

【写真】北朝鮮の戦勝節閲兵式に登場した核魚雷と無人機

 韓国防衛事業庁は8月2日、携帯用ドローンガン事業の説明会を開催する。昨年12月に北朝鮮のドローンが飛来した際、ヘリコプターの機関銃による撃墜に失敗したことから、ドローン専用攻撃兵器であるドローンガン導入の必要性が指摘されていた。

 韓国国防部は27日、「ドローン作戦司令部令」を公布した。国防部長官傘下に設置され、将官級の将校が司令官を務める。ドローン司令部の任務には今年4月の立法予告時に含まれた「戦略的・作戦的水準の監視、偵察、攻撃、心理戦、電子機戦」に加え、「敵無人機に対応するための探知、追跡、攻撃」が追加された。韓国政府関係者は「攻撃的な対応を求める尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の意思が反映されたものだ」と話した。韓国軍当局は北朝鮮が無人機による挑発を再度強行すれば、10倍の無人機を平壌に送って報復する方針だ。

 尹大統領は昨年末、合同ドローン部隊の早期創設、ステルス無人機など小型ドローンの年内生産などを指示した。韓国軍は太陽電池を搭載した長距離偵察ドローンをすでに確保しており、北朝鮮全域を監視する小型無人機100機も今月中に配備する計画だ。ステルス無人機などの開発にも拍車をかけている。韓国軍はまた、ウクライナ戦争でのドローン運用を分析し、最近はトルコの無人機旅団を直接訪れ、無人機運用システムなどを視察した。

 しかし、韓国軍のドローン作戦への備えが司令部創設や先端技術確保など外的な側面に偏っているという指摘もある。北朝鮮のドローン開発は、技術的完成度ではなく、実戦でどれだけ韓国に打撃を与えられるかに主眼を置いている。

 ドローンの実効性に対する陸・空軍間の意見差と縄張り争いも克服すべき課題として指摘される。専門家は陸・海・空軍を問わず、小規模戦術部隊であらゆるドローンを運用できるよう実用的な備えが必要だと指摘する。

ウォン・ソンウ記者

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