「竹槍歌」が足を引っ張った韓米日協力、今後は国益に集中せよ【7月31日付社説】

 韓米日3カ国は韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領、バイデン米大統領、日本の岸田文雄首相が出席する首脳会議を8月18日に米国で開くと同時発表した。韓米日首脳はこれまで国際会議に合わせて会談してきたが、3カ国の首脳会議のために別途集まるのは初めてだ。米ホワイトハウスは「今回の(3カ国)首脳会議で首脳らは米日間、韓米間の堅固な同盟と強い友情を再確認し、3カ国関係の新たな一章を祝うことになるだろう」と指摘した。

 3カ国首脳会議が開かれる米大統領の別荘キャンプデービッドは、歴代の米大統領が世界史の流れを変える重要な合意を成立させた歴史的な場所だ。1959年にはアイゼンハワー大統領とソ連共産党のフルシチョフ書記長による初の首脳会談、1978年にはカーター大統領の仲介による中東和平交渉がここで開かれた。バイデン大統領は2021年の就任後、外国の首脳をそこに招待したことはなかったが、今回尹大統領と岸田首相を招いた。尹大統領は韓国大統領としては08年の李明博(イ・ミョンバク)大統領以来15年ぶりにキャンプデービッドを訪問することになる。

 バイデン大統領は副大統領時代の2016年にハワイで韓米日3カ国による次官級会合が開かれるということを知ると、日程を変えて駆けつけ、特別演説を行うほど3カ国協力に積極的だ。歴代の米大統領の中で3カ国協力を最も重視するバイデン大統領がキャンプデービッドでの3カ国首脳会議を通じ、韓米日協力を新しい次元に飛躍させようとしているとの観測も出ている。

 尹大統領の就任後4回目となる3カ国首脳会議は、昨年5月に就任した尹大統領が動揺せず、韓日関係の改善に努めたからこそ実現した。文在寅(ムン・ジェイン)前政権は反日感情を国内政治に活用するため、韓日関係を意図的に放置した。政権レベルで「竹槍歌(編注・抗日歌曲)」を歌いながら日本を敵視し、3カ国の協力は夢にも考えなかった。

 キャンプデービッドでの首脳会議は、米中の経済対立、ロシアのウクライナ侵攻長期化など世界情勢が一寸先も見通せない状況で開かれる。特に北東アジアで北朝鮮、中国、ロシアが連帯の動きを見せる状況で、韓米日3カ国の首脳は北朝鮮の挑発を抑止する防御態勢を一層強化する必要がある。また、3カ国の協力は北東アジアだけでなく全世界の自由民主体制を守る核心的な連帯としての働きもある。その過程で韓国の国家的地位も共に一段階アップすることは言うまでもない。過去を現在と戦わせ、国の未来の足を引っ張る愚かさを二度と繰り返してはならない。

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  • ▲尹錫悦大統領、バイデン米大統領、日本の岸田文雄首相が今年5月21日、G7広島サミットに合わせて開かれた韓米日首脳会談で握手を交わしている/韓国大統領室

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