サッカー女子W杯:2連敗韓国代表監督の公式記者会見、「責任逃れ」と指摘する声も

記者会見で女子サッカーのシステム批判

 「正直に言います。(昇降格制のない)WKリーグ(女子実業団サッカー)の選手たちを見ると、『勝てばうれしい。でも負けても悪くはない』と思っています。私はそれは話にならないと思います」

【写真】モロッコに先制ゴールを許しぼう然とする韓国の選手たち

 サッカー女子韓国代表チームのコリン・ベル監督(61)は先月30日、オーストラリア・アデレードのハインドマーシュ・スタジアムで行われたモロッコとの「2023国際サッカー連盟(FIFA)女子ワールドカップ(W杯)オーストラリア・ニュージーランド大会」H組グループステージ第2戦に0-1で敗れた後、公式記者会見で手厳しい批判を続けた。同監督は「12-16歳の若い選手たちが互いに競い合うムードを作らなければならないが、韓国はそうではない。日本はサッカーに対して30年間のビジョンを持っている」と言った。ベル監督はモロッコ戦前のオーストラリアでの練習時も「強度の高いトレーニングは中学から大学、リーグまで一つの枠組みにつながらなければならない。今回のW杯を機にすべてを変えなければならず、そうでなければほかのアジア諸国に圧倒されるだろう」と話した。WKリーグの競技力やシステム、有望選手の育成など、韓国女子サッカー界全般に対する批判を続けたのだ。

 多くのサッカー・ファンがベル監督の発言そのものには賛同している様子だ。韓国の女子サッカー選手は約1500人。日本サッカー協会に登録されている中学生以上の女子選手約2万7000人に比べると、はるかに少ない。河南中央小学校女子サッカー部のキム・ガイ監督(36)は「韓国の女子児童・生徒たちはスポーツに対する認識不足などで、ほとんどが年齢的には遅い小学校5-6年生の時にサッカーに初めて接する。1チームはせいぜい15人程度で、すそ野が広くない」と話す。

 ただし、「ベル監督がこのような発言をしたのは時期的に適切ではなかった」という反応が多い。年齢別代表チーム・アドバイザー(諮問)を兼ねているベル監督が自身のサッカー哲学を語るのは良しとしても、代表チームの実力を検証する舞台であるW杯で2連敗した後、サッカーのすそ野について主に語れば、敗戦に対する言い訳と受け取られる可能性があるとの指摘だ。

 2019年から女子韓国代表チームを率いてきたベル監督は、長い間W杯に向けて準備してきたが、韓国代表チームは今大会で不正確なシュートとパス、連携プレー不足など多くの問題点を露呈した。現在の女子韓国代表チームには10年以上にわたり代表チームでプレーしてきた選手が多いのにもかかわらず、組織力は弱かった。しかし、「ドイツとの第3戦に向けてどのように備えるべきか」という報道陣の質問にも、ベル監督は「若い選手たちが試合にもっと多く出場しなければならない」「すべてを変えなければならない」と原則的な話ばかりした。あるサッカー界関係者は「ベル監督は木を見ず森ばかり見ているようだ」と言った。

シドニー=キム・ミンギ記者

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  • ▲コリン・ベル監督/写真提供=大韓サッカー協会

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