日本が興行ビザの取得要件緩和 韓国歌謡界も「歓迎ムード」 

【ソウル聯合ニュース】日本政府が8月1日から、外国人歌手らがコンサートなどで日本を訪れる際に取得する「興行ビザ(査証)」の要件を大幅に緩和したことについて、韓国歌謡界は新人アーティストにも機会が開かれるとして歓迎する雰囲気だ。

 日本メディアによると、出入国管理・難民認定法に関連する改正法務省令が1日に施行されたことにより、海外の歌手や俳優が日本で開催される小規模な公演などに出演するためのビザ取得が容易になった。

 同ビザの申請にはこれまで、2年以上の海外での活動経験や一定面積以上の舞台を備えた会場での公演などの要件が課されていたが、手続きが複雑だという日本の招聘(しょうへい)元からの声を受けて法令が改正された。

 アイドル第1世代を代表するガールズグループ、Baby V.O.X(ベイビーボックス)を育てたDRミュージックのユン・ドゥンリョン代表は、聯合ニュースの取材に対し「日本の歌手は知名度が低い状態から小劇場での公演でファンを増やしていくのが一般的だ」としながら、「(ビザ発給要件の緩和で)韓国の歌手にもそのような機会が広がったことは肯定的な現象」と話した。
 また、近ごろ日本の小劇場の関係者らが韓国の企画会社を訪れて公演への出演交渉を行っていると説明した。

 日本はK―POPにとって名実ともに最大の海外市場で、昨年は米国と中国を抑えてアルバム輸出枚数が1位だった。

 「アジアの星」の異名を取るBoA(ボア)が2002年に韓国歌手として初めてオリコン週間アルバムランキング1位を獲得して以来、RAIN(ピ)、東方神起、少女時代、KARA(カラ)、2PM、BTS(防弾少年団)、IVE(アイブ)、LE SSERAFIM(ル セラフィム)など数々のスターが日本に進出し、大成功を収めた。

 日本市場は20年以降にK―POP市場の裾野が北米や欧州まで広がってからも、英米圏進出の足掛かりとしての役割を十分に果たしている。

 昨年末のNHK紅白歌合戦にTWICE(トゥワイス)、IVE、LE SSERAFIMと韓国勢が大挙出演し、BTSが海外アーティストとして初めてオリコン年間ランキングで2年連続1位を記録したことは、日本でのK―POPの人気を如実に表している。

 日本でも大きな人気を博している、あるガールズグループの所属事務所関係者は「企画会社としては今回の措置を歓迎しない理由がない」として「滞在期間の規制が緩和されれば、ツアー日程の調整などさまざまな面でやりやすくなる」と期待を示した。

 音楽評論家のキム・ドホン氏は、これまで日本ではある程度有名なアーティストがドームやアリーナで公演を行うことが多かったと指摘。今後はスタンディングのライブハウスなど小規模な会場で公演ができるようになり、現地にファンが多くないアーティストも日本で活動できるようになったと説明した。

 また、海外アーティストが日本で公演すれば現地で発生する経済効果が大きいとして、日本としては海外アーティストが多く訪れるほど内需も拡大し、競争を誘発して収益を上げることができると分析した。
 今回の要件緩和により、韓国コンテンツの流通を制限する「限韓令」が続く中国での空白を埋める効果があるとの見方も出ている。 
 芸能事務所の関係者は「現在はK―POP歌手の中国での活動が阻まれている」として「これまで突破口を模索してきたが、(今回の措置で)中小の芸能事務所の歌手にとって敷居が低くなり、韓国文化コンテンツを海外に輸出するのに有利な環境になった」と述べた。  

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
あわせて読みたい