聴聞会で「独島は韓国領」と答弁できない韓国統一相…フェイク動画だった

　韓国与党・国民の力が先月28日に統一部長官に就任した金暎浩（キム・ヨンホ）氏の人事聴聞会答弁内容をねつ造した人物を警察に告発した。韓国政界関係者が今月1日に明らかにした。

【写真】韓国与党が告発したフェイク動画

　関係者によると、国民の力メディア法律団は先月31日、金暎浩氏の人事聴聞会関連フェイクニュース動画をソーシャル・ネットワーキング・サービス（SNS）上に流布した人物を名誉毀損（きそん）でソウル警察庁に告発したとのことだ。

　この人物が先月25日、写真共有SNS「インスタグラム」に掲載した動画では、国会人事聴聞会で野党・共に民主党の朴洪根（パク・ホングン）議員から「独島（日本名：竹島）は韓国の領土ですか？」と質問されると、当時統一部長官指名者だった金暎浩氏は「それは申し上げられません」と答えたように見える。しかし、実際には金暎浩氏はこの質問に対して「韓国の領土です」と答えており、国会人事聴聞会の速記録にもそのように記録されている。金暎浩氏が別の質問に答えた場面を、何者かが編集したものとみられる。

　続く動画では、朴洪根議員が「（長官のポストを）誰が推薦したのか」「人事聴聞会に関して大統領室と事前調整したのか」などと質問をすると、金暎浩氏が「申し上げることはできない」と答える場面が流れる。その後、国民の力所属の金台鎬（キム・テホ）国会外交統一委員会委員長が「（金暎浩氏は）しばらくトイレに行く必要を感じているのか」と話す場面で終わる。この場面には「そうだろ？　トイレに行きたいからこうなんだろ？」などのテロップが付いていた。1日午前の時点で、この動画をアップロードしたアカウントは削除されている。

　国民の力メディア法律団は「発言内容をねつ造・歪曲（わいきょく）したフェイク動画で個人の名誉を傷付け、社会的混乱を発生させる虚偽掲載物に対しては善処することなく対応する方針だ」「これまではフェイクニュース掲載者の身元が把握できず、法的措置が中断されるケースが多かったが、今回は身元把握を進展させる措置を取る計画だ」と述べた。

　国民の力はこれに先立ち、同党メディア法律団を通じて、「尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領が夫人の金建希（キム・ゴンヒ）氏一族の便宜を図り、ソウル－楊平間の高速道路ルートを変更した」と発言をした李海チャン（イ・ヘチャン）元代表と、「ソウル・瑞二小学校教師の自死に国民の力所属議員が関与している」と言ったジャーナリストでユーチューバーの金於俊（キム・オジュン）氏を名誉毀損で告発している。

イ・ガヨン記者