韓国人権委、脱北漁民強制送還の調査を再却下…文政権が任命した委員6人が反対

 韓弁はそれを不服として提訴し、ソウル行政裁は昨年の一、二審で「却下理由には当たらない」として原告である韓弁の主張を認めた。しかし、裁判所の判決を検討した人権委は8カ月後に再び却下を決定した。今回は「捜査と裁判が行われているか終結した場合、(陳情を)却下する」という人権委法を根拠に挙げた。検察は今年3月、北朝鮮漁民が亡命の意思を明らかにしたにもかかわらず、強制送還を指示した疑いで盧英敏(ノ・ヨンミン)元大統領秘書室長、鄭義溶(チョン・ウィヨン)元国家安保室長、徐薫(ソ・フン)元国家情報院長、金錬鉄(キム・ヨンチョル)元統一部長官を国家情報院法上の職権乱用などの罪で在宅起訴し、現在一審が進行中だ。

 却下の決定に対し、人権委内部でも賛否が交錯し、夜10時になって採決で結論が出たという。反対委員らは「捜査、裁判に対し、陳情を却下するという人権委法の趣旨は、国家機関による手続きの重複を防止することが目的だ」とし、「今回は捜査ではなく人権問題だけを判断すべきだ」と反発したという。人権委関係者は「裁判所で却下取り消しが出た事案を人権委が理由を変えて再び却下したのは、人権委の22年の歴史で前例がない」と話した。強制送還事件について、人権委に陳情を行った韓弁の金泰勲(キム・テフン)名誉会長は電話取材に対し、「送還される漁民が板門店で激しく抵抗する映像まで公開された状況で人権委が人権侵害かどうかに沈黙したことは自らの存在理由を忘れた行為だ」と述べた。

朴秀チャン(パク・スチャン)記者、チョ・ジェヒョン記者

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  • ▲2019年11月7日、強制送還に抵抗する北朝鮮漁民/統一部

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