全世界の心配の種になった韓国開催「世界スカウトジャンボリー」

猛暑と高湿度で体調不良者続出

全世界の心配の種になった韓国開催「世界スカウトジャンボリー」

 全羅北道扶安郡セマングムで行われている「第25回世界スカウトジャンボリー」の運営が国際問題に飛び火する兆しを見せている。世界スカウトジャンボリーは世界各国のボーイスカウトたちが集まるキャンプ大会だ。英外務省は3日、同地に外交官を派遣して安全に関する懸念を伝え、再発防止を要求した。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)や外国通信社の報道を通じて現地の劣悪な状況が伝えられ、保護者らの抗議の声が相次いだため、外交官を急きょ派遣したのだ。外交官らは「英外務省としても今回の件を注視している」とし、大会組織委員会と韓国政府に安全を期するため最大限協力するよう要請したとのことだ。

【写真】プラスチック製パレットの上に張られたテント、韓国ネットで話題に

 代表団の中から猛暑による体調不良者が発生した米国も「大使館職員が米国代表団の安全を確保するため韓国政府と直接連絡を取り合っている」「状況を注視する」と明らかにした。韓国に子どもを行かせた各国の保護者たちは「子どもたちが楽しみにしていたイベントが『サバイバル・ゲーム』になった」と批判した。保護者らはSNSを通じ、「うちの娘の話では、きちんとしたトイレやシャワー室もなく、食べ物の配達も難しいそうだ」「全くもってメチャクチャだ」と訴えている。

 騒動が広がるや、韓悳洙(ハン・ドクス)首相は同日午後、金賢淑(キム・ヒョンスク)女性家族部長官に対して、「大会終了まで現場を見守り、参加者4万3000人の安全を確保せよ」と緊急指示を下した。このため、金賢淑長官が総責任者として毎日定例記者会見を行い、現地の状況や措置の内容などを報道機関に向けて発表する予定だ。また、方文圭(パン・ムンギュ)国務調整室長も現場を管理する。国防部は日よけ施設などを作る工兵隊や、軍医を派遣することにした。行政安全部はジャンボリーにおける猛暑対処のため、災害安全特別交付税30億ウォン(約3億3000万円)を全羅北道に交付することにした。

 しかし、今回の事態の原因となった猛暑・熱帯夜は大会が終わる12日まで続く見通しだ。 特に大会会場のセマングムは海岸に近いという特性上、湿度が70%を超えるが、体感温度はさらに高いものとみられる。韓国政府が緊急猛暑対策を打ち出したものの、「真夏という時期と、日差しをそのまま浴びるしかない干拓地の特性を考慮し、前もって対策をしておくべきだった」と指摘の声が上がっている。

 チリから来たスカウト隊員ルシアーノ・ガヤルド君(15)はキャンプ場で過ごした前日の夜を「悪夢のようだった」と語った。ガヤルド君は「テント内は外より暑くて、一晩中寝たり起きたりを繰り返した」「猛暑のためキャンプ場は修羅場(mess)だ」と言った。大会組織委員会によると、2日に行われた開営式で体調不良者が139人発生し、このうち108人は熱中症患者だったとのことだ。

キム・ウンジュン記者、キム・ジョンヨプ記者、パク・ヘヨン記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • 全世界の心配の種になった韓国開催「世界スカウトジャンボリー」
  • 全世界の心配の種になった韓国開催「世界スカウトジャンボリー」

right

あわせて読みたい