ずさんな準備と気象異変、世界スカウトジャンボリー韓国組織委は責任逃れに終始「もともと克己訓練」

 「ずさんな運営」で物議を醸している「第25回世界スカウトジャンボリー」に関して、韓国政府は2017年から準備してきた。世界スカウトジャンボリーは世界各国のボーイスカウトたちが集まるキャンプ大会だ。6年間で投入してきた金額は約1082億ウォン(約120億円)だという。スカウト隊員4万3000人余りは1人当たり最高120万ウォン(約13万円)を払って大会に参加した。異常気象で暑さが厳しいせいもあるが、組織委員会の準備がずさんだったと指摘されている。

【表】韓国開催「第25回世界スカウトジャンボリー」で発生した問題点

 今大会の主催者は韓国女性家族部・行政安全部・文化体育観光部と全羅北道だ。しかし、いずれも互いに管理責任をなすりつけ合っているような印象を与えている。専門家らは「干拓地というセマングムの特性上、万全の備えが必要だった」と指摘した。セマングムは農業用地として造成された場所のため水がたまりやすく、日光を避けられる天然の空間がない。韓国政府は日よけ用のタープテントや水道施設を用意したが、現地のスカウト隊員たちは「全く足りていない」という反応だ。

 組織委員会はスカウト隊員たちの熱中症について自然な現象だと言った。チェ・チャンヘン事務総長は「どの国で実施してもあり得る状況」「野外活動を覚悟し、克服するためにキャンプ生活をしている」と述べた。同事務総長は前日の開営式で熱中症の症状を訴える隊員たちが続出したことについて、「K-POPイベントでエネルギーを使って活動した結果、数多く発生した」と話した。同事務総長は女性家族部出身だ。大会主催者の1人である全羅北道のヨム・ヨンソン道議会議員=共に民主党=はソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「フェイスブック」に「ジャンボリーは避暑ではない」「参加者たちは大切に育てられてきた上に、キャンプ経験が不足している」という文を掲載した。

 全羅北道は「準備に万全を期した」と主張している。全羅北道の金寬永(キム・グァンヨン)知事は2日、ラジオ番組で「(大会の前に)キャンプ場が浸水する事態が発生したが、改善に集中して少なくとも安全には問題がないようにした」「海風も吹くので猛暑をしのげるし、ツタのトンネルやミスト噴射施設も数多く設けた」と言った。

 今大会の会場がセマングムに決まったのは、宋河珍(ソン・ ハジン)前全羅北道知事が積極的に招致活動を展開したためだ。2016年に全国市・道知事の昼食懇談会に出席した際、当時の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領から支援を取り付けた。そして、文在寅(ムン・ジェイン)氏が大統領に就任した後は、政府レベルでの全面的な支援があった。文政権はセマングム事業を国家100大国政課題に選定した。

シン・ジイン記者

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  • ▲8月3日、全羅北道扶安郡セマングムで行われている「第25回世界スカウトジャンボリー」の会場の様子。連日猛暑が続く中、熱中症患者が続出している。写真=キム・ヨングン記者
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