「予算100億円」韓国開催の世界スカウトジャンボリー、キャンプ場造成より組織委運営に巨額資金投入…15年日本開催時は

 猛暑・豪雨に備えた基本的な施設さえ不十分だったことが表面化したボーイスカウト・ガールスカウトの祭典「第25回世界スカウトジャンボリー」(全羅北道扶安郡セマングム)について、「主催者側は1000億ウォン(約108億円)を上回る予算を湯水のごとく使ったのではないか」という指摘の声が上がっている。韓国女性家族部や全羅北道など主催者側の世界スカウトジャンボリー総事業費は1171億ウォン余り(約127億円)だ。このうち、組織委員会の人件費といった運営費だけで740億ウォン(約80億円)を超える資金が投入されていたことが分かった。その一方で、トイレ・シャワーなどキャンプ場施設造成に投入したのは129億ウォン(約14億円)だった。与党・国民の力は6日、「ジャンボリー予算1000億ウォンの使途が疑われる」として、調査の必要性を提起した。

【表】1171億ウォンの予算は何に使われた? 世界スカウトジャンボリー総事業費の内訳

 韓国政府によると、2018年から2023年までのジャンボリー準備期間における予算は1171億1500万ウォン(約127億円)だという。国費302億ウォン(約33億円)、全羅北道などの地方費418億ウォン(約45億円)など、税金720億ウォン(約78億円)が投入された。残りはジャンボリーの収入400億ウォン(約3億円)や屋外広告収入49億ウォン(約5億円)などで充当した。さらに、追加で韓国政府・地方自治体の予備費と特別交付税231億ウォン(約25億円)も投じられた。これらを合わせると、総事業費は1402億1500万ウォン(約152億円)に達する。

 最も多く費用がかかったのは組織委運営費だった。740億ウォン(約80億円)が人件費などの運営費として支出された。ジャンボリー事務局組織委は、各種実務チームだけで30チームあり、総人員数は117人だ。さらに政府支援委員会(30人)、実務委員会(19人)、組織委員会(152人)、執行委員会(21人)などの上位機関と全羅北道などの地方政府組職まで合わせれば、肥大化した行政組職運営だけでも相当な額が投入されている。

 その一方で、ジャンボリーのイベントに欠かせない基盤施設造成235億ウォン(約26億円)、キャンプ場造成129億(約14億円)、直沼川活動場造成36億(約4億円)、大集会場造成30億ウォン(約3億円)など、現場インフラ構築に必要な施設費には組織委運営費740億ウォン(約80億円)をはるかに下回る金額しか投入されていない。

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  • ▲「第25回世界スカウトジャンボリー」のベルギー代表団が「インスタグラム」公式アカウントに投稿した写真。水たまりの上にプラスチック製パレットを敷いてテントを張っている。写真=ベルギー代表団のインスタグラムより
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