100億円使ってこのありさま…韓国開催「世界スカウトジャンボリー」、使途を徹底究明せよ【8月8日付社説】

 準備不足とずさんな運営で問題が多発しているボーイスカウト・ガールスカウトの祭典「第25回世界スカウトジャンボリー」(全羅北道扶安郡セマングム)。このジャンボリーにかかった予算は1171億ウォン(約127億円)だという。同じく猛暑の干拓地で開催されたが成功した「第23回世界スカウトジャンボリー」(2015年、日本・山口県で開催)の予算は380億ウォン(約41億円)だった。3倍以上の金額を使ったセマングムのジャンボリーで不十分なシャワー施設や汚いトイレなど基本的な衛生問題が浮上、1000人以上も続出した体調不良者は医療スタッフ・病床不足で放置された。1000億ウォン(約108億円)を上回る金額が一体どこに使われたのか、問いたださずにはいられない。

【表】1171億ウォン使ってこのありさま…世界スカウトジャンボリー総事業費の内訳

 組織委員会が明らかにした内訳によると、キャンプ地の造成にかかった資金は130億ウォン(約14億円)だという。上下水道など基盤施設造成に205億ウォン(約22億円)、強制排水施設に30億ウォン(約3億円)など、間接費用まで合わせれば395億ウォン(約43億円)に達する。組織委員会はこの他にも給食・食堂運営に121億ウォン(約13億円)、日よけ幕購入に5億4000万ウォン(約6000万円)、防疫施設完備と虫よけ剤に7億6000万ウォン(約8300万円)、糞尿処理施設・その他に11億ウォン(約1億2000万円)など、656億ウォン(約7億2000万円)を追加で使ったという使用内訳を公開した。それでも参加者たちは水たまりにテントを張り、カビが生えたゆで卵を食事として受け取った。資金がきちんと使われていなかったということだ。

 全羅北道など主催者側は2017年のジャンボリー招致以降、予算拡大を一貫して要求してきた。その結果、招致当時491億ウォン(約53億円)だった総事業費が2倍以上も増えた。ジャンボリー事務局組織委は各種実務チームだけで30チームあり、総人員数は117人に達する。これに政府支援委員会(30人)、実務委員会(19人)、組織委員会(152人)、執行委員会(21人)などまで加わり、肥大化した行政組織となった。これを維持するだけでも84億ウォン(約9億円)が追加でかかったという。だが、この組織が正常に機能していたかどうかは疑わしい。

 全羅北道庁関係者5人は2018年5月、「世界スカウトジャンボリー成功開催事例調査」を名目にスイスとイタリアに6泊8日間の出張をした。ところが、この2国は世界スカウトジャンボリーを開催した経験がなかった。このほかにも「オーストラリア・スカウト連盟訪問」「米国で開かれる第24回世界スカウトジャンボリーの視察」など、観光旅行と疑われるような海外出張が相次いだ。セマングムでのジャンボリー予算1171億ウォン(約127億円)の中には国費302億ウォン(約33億円)と地方費418億ウォン(約45億円)など、税金が720億ウォン(約78億円)投入された。納税者にはこの金額がどのように使われたかを知る権利がある。国会であれ監査院であれ、使途を徹底的に究明しなければならない。

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  • ▲「第25回世界スカウトジャンボリー」のベルギー代表団が「インスタグラム」公式アカウントに投稿した写真。水たまりの上にプラスチック製パレットを敷いてテントを張っている。写真=ベルギー代表団のインスタグラムより
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