「逆境に打ち勝つのが目的なのに…」 韓国開催の世界スカウトジャンボリー早期撤収、海外の一部から批判の声

 韓国・全羅北道のセマングム地区で開かれているボーイスカウトの国際行事「世界スカウトジャンボリー」に参加したスカウト隊員が会場のキャンプ場から撤収したとの報道に対し、インターネット上では8日、外国から一部批判的な反応が見られた。「スカウト精神を忘れたのではないか」という意見のほか、韓国政府がスカウト隊員に行き過ぎた配慮しているとの声も上がった。専門家は猛暑と台風で隊員は退避することになったが、「逆境を克服する」というスカウト精神を生かせなかった点は残念だと話した。

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 米CNNの7日の関連記事には、「自分がスカウトをしていた当時は『そなえよつねに』がモットーだった。今の子どもたちは弱すぎる」「キャンプをして生き残ることがスカウトの目標なのに、なぜ子どもたちをホテルに寝せるのか」というコメントが付いた。ニューヨークタイムズの記事にも「こんなやり方では全世界にキャンプできる場所はどこにもない」「苦しい状況に直面した子どもたちがそれに適応できるようにすることがスカウトの目標だ」というコメントがあった。米FOXニュースのユーチューブ映像には「幼いころ、ジャンボリーで両手と背中に重い荷物をいっぱい背負い、1日に20キロ歩いたが不平を言わなかった。最近の子供たちは甘い」といった経験談も見られた。

 韓国政府がスカウト隊員を行き過ぎた配慮を行っているという意見もあった。米ネバダ州在住の男性は「1971年に日本の富士山近くでジャンボリーに参加した当時、台風に襲われたが、避難せずに全世界の隊員とキャンプ場を復旧し日程を続けた」とコメントした。ワシントン在住の男性はニューヨークタイムズに対し、「自然は予想できず恐ろしいという教訓を子供たちにも教えるべきだ」と書いた。「トイレが劣悪なことや蚊のような虫が多いことは当然だ」「キャンプしながら自然に親しみ、逆境に打ち勝つことがジャンボリーの目的だ」という声もあった。

 漢陽大観光学部のチョン・ランス教授は「スカウト精神の根本は共に難しい状況を乗り越えるチャレンジ精神だ。最初から平穏を追求せずにキャンプや冒険をするのは、苦難を克服しスカウト精神を実現するためだ」と話した。スカウト隊員は制服にバッジをつけるが、これは「苦難を乗り越えた」証とされる。スカウト隊員はバッジが多いほど「スカウト精神」を実践したというプライドを持つという。

キム・スギョン記者

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  • ▲サバイバル技術に熟達した隊員に授与されるバッジ/英スカウト連盟

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