共に民主・李在明代表を守るため李華泳元副知事についた「監視弁護士」、そのデタラメな実態【8月10日付社説】

 韓国の下着メーカー、サンバンウルによる対北朝鮮送金事件で起訴された李華泳(イ・ファヨン)元京畿道副知事の裁判で金亨泰(キム・ヒョンテ)弁護士が8日、李華泳氏の意思を確認せずに勝手に裁判官忌避を申し立てた。現行法で弁護人は被告の意思に反しない場合にのみ裁判官忌避を申し立てることができる。被告にとってそれが重要だからだ。ところが弁護士は李華泳氏にまともに尋ねることもないままで申し立てを行った。裁判所が李華泳氏の意思を確認し、申し立ては撤回されたが、あり得ないことが起きたのだ。金亨泰弁護士のような人物は民主党を巡る事件で横行しているとされる「監視弁護士」の一人かもしれない。被告を弁護するのではなく、被告が真実を言えないように監視する役割をする人物だ。金亨泰弁護士は民主社会のための弁護士会(民弁)の創立メンバーだ。民主主義と人権を掲げる団体出身の弁護士がこんな行為に及ぶ。 大韓弁護士協会が懲戒すべき事案だ。

【写真】法曹界出身の共に民主議員ら、水原地検前で抗議の座り込み

 事の発端は李華泳氏が李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事(当時、現共に民主党代表)の訪朝費用をサンバンウルが肩代わりしたことを李知事に報告したと供述したためだ。それが事実ならば、李在明代表は収賄罪に問われる。それ以降、法廷で奇妙な出来事が相次いだ。李華泳氏の妻が先月、李華泳氏本人も知らないまま弁論を担当していたS弁護士の解任を裁判所に届け出た。その直後に開かれた裁判で李華泳氏が「弁護士解任は私の意思ではない」と発言すると、妻が「しっかりしろ」と叫ぶ場面があった。そして、それまであまり裁判に出廷しなかった金亨泰弁護士は8日、裁判官忌避の申し立てとともに李華泳氏の検察陳述を否定する意見書を提出した。金亨泰弁護士は李在明代表の公職選挙法違反事件で弁護人として活動した人物だ。李華泳氏はその意見書に対しても「初めて聞く内容だ」と述べた。弁護士が被告も知らない意見書を提出したことになる。金亨泰弁護士は同日、自分が今後法廷弁論を引き受けると述べたが、李華泳氏が拒否した。

 この騒ぎで同日予定されていた証人尋問は全て中止された。裁判の混乱は既に約1カ月続いている。法廷だけではない。民主党議員らによる検察での座り込み、捜査検事への脅し、李在明代表支持者が収監中の李華泳氏に金銭を送る運動などが続いている。韓東勲(ハン・ドンフン)法務部長官は「マフィア映画に出てくる司法妨害」だと述べた。実際にそうだ。裁判所が中心になり、司法妨害と裁判遅延を防がなければならない。

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  • ▲法務法人徳寿の金亨泰弁護士/2016年2月撮影、ニュース1

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