6・25戦争停戦から70年…世界第6位の輸出大国・韓国、まだ「かつら」を売っている北朝鮮

体制選択が運命を分けた

6・25戦争停戦から70年…世界第6位の輸出大国・韓国、まだ「かつら」を売っている北朝鮮

 1兆4149億5000万ドル(現在のレートで約197兆1733億円。以下同じ)対15億9000万ドル(約2216億円)。

 これは、昨年の韓国と北朝鮮の貿易額(輸出+輸入)の比較だ。韓国の貿易額は北朝鮮の890倍。韓国は昨年、世界を相手に半導体・石油製品・自動車などを売り、世界第6位の輸出国へとのし上がったが、北朝鮮は依然として絹や「かつら」、造花といった軽工業や鉱物・石炭など1次産業が主な輸出品の上位を占めている。韓国の1960年代のレベルにとどまっているのだ。今年の7月27日は、6・25停戦から70周年。韓国が「漢江の奇跡」をつくり出し、先進7カ国(G7)と肩を並べる経済大国へ浮上したのとは異なり、「苦難の行軍」を続ける北朝鮮は世界およそ200カ国の中でも下位10%の水準に転落した。

【表】韓国と北朝鮮、昨年の主な輸出品目

■貿易規模は890倍…運命を分けた体制選択

 7月24日に韓国統計庁が明らかにしたところによると、2021年の韓国と北朝鮮の名目1人当たりの国民総所得(GNI)はそれぞれ4048万ウォン(約443万円)と142万ウォン(約16万円)で、およそ28.5倍の差が出た。韓国の1人当たりのGNIは、停戦後ずっと北朝鮮に後れを取っていたが、1960年代末から70年代中盤ごろに逆転し、その後、格差は次第に広がっていった。ソウル大学の金炳椽(キム・ビョンヨン)教授は「停戦直後の50年代から60年代は、ソ連や中国、東欧などの援助が続き、北朝鮮経済はしばし輝きを放った」としつつ「しかし、いわゆる『計画なき計画経済』と呼ばれる王朝式社会主義が続いたことで、(経済・産業の)問題が長期的に累積した」と語った。

 2021年基準で、自動車の登録台数は、韓国が人口の半数近い2491万台なのに、北朝鮮は25万3000台に過ぎなかった。20年の移動通信加入者数は7051万人対600万人で、差は11倍を超えた。北朝鮮では4人に1台という割合だが、同じ社会主義国のベトナムでも1人1台を上回る1億2000万台水準であることを考慮すると、これは異様に少ない数字だ。

 韓国が選択した自由民主主義と北朝鮮の共産主義という体制が、70年の歳月を経て運命を分けた。資本主義を加味した中国・ベトナムと違って閉鎖経済を固守してきた北朝鮮は、共産国の中でも経済的成果が非常に劣る。漢陽大学の金慶敏(キム・ギョンミン)名誉教授は「中国とベトナムはそれぞれ、世界の覇権を握るという目標や統一の地の国家経済を奮い立たせて豊かな国をつくるという目的の下、改革・開放に乗り出した。しかし北朝鮮は世襲体制の安定を何より優先視し、市場経済を等閑視した」とし「結局、自由経済を排除した北朝鮮の体制で産業の発展は不可能だった」と指摘した。

前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • 6・25戦争停戦から70年…世界第6位の輸出大国・韓国、まだ「かつら」を売っている北朝鮮
  • 6・25戦争停戦から70年…世界第6位の輸出大国・韓国、まだ「かつら」を売っている北朝鮮
  • 6・25戦争停戦から70年…世界第6位の輸出大国・韓国、まだ「かつら」を売っている北朝鮮

right

あわせて読みたい