世界スカウト大会 日本派遣団の受け入れで自治体・寺・住民が団結=韓国

【ソウル聯合ニュース】韓国で開催中のボーイスカウト・ガールスカウトの祭典「世界スカウトジャンボリー」(1~12日)に参加している日本のスカウトらは主催者側が7日に台風6号の接近に伴いキャンプ地からの早期撤収を決めたことを受け、8日から中部・忠清北道丹陽郡の救仁寺に宿泊している。丹陽郡は約1500人の日本派遣団を受け入れる準備を一日で整えるため、非常体制で対応に当たった。

 救仁寺は信者2万人が参加する行事を行うほど規模が大きい寺だが、1500人が宿泊できる施設は整っていない。トイレやシャワー室不足が最も大きな問題だった。タスクフォースを設置し対応に当たった丹陽郡は救仁寺と協力し、寺の前庭にトイレとシャワー室を設置することを決めた。急いで業者を探し、設置工事が始まったのは8日午後6時ごろだった。上・下水管や電線を敷設し、首都圏から調達したコンテナトイレやシャワー室を設置するため、徹夜で作業が行われた。9日午前には6棟のトイレが完成し、同日午後にはシャワー室7棟が完成した。

 日本派遣団の出田行徳団長は9日、丹陽郡や救仁寺の関係者に謝意を示した。

 地元住民も日本派遣団の受け入れに力を合わせた。丹陽郡が派遣団におやつを提供するため地元の農家に協力を要請すると、ゆでたトウモロコシ3000本やリンゴ2000個があっという間に調達された。救仁寺を訪れ、食事の配食を手伝う住民もいた。付近の病院は7人で構成した医療団を派遣し、新型コロナウイルスやインフルエンザ、皮膚炎の患者らを治療した。警察や消防隊員計約20人は事故などを防ぐため、24時間体制で勤務している。

 丹陽郡関係者は「良い思い出を持って日本に帰ってほしい」と語った。

 10日は台風6号の影響で大雨が降っており、日本派遣団は救仁寺で僧侶による仏教儀式や劇団の演劇公演を鑑賞するなど、屋内で時間を過ごした。

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