北朝鮮 金正恩氏に反抗的な「不平分子」捜索組織新設=韓国情報機関

【ソウル聯合ニュース】韓国情報機関の国家情報院(国情院)は17日の国会情報委員会で、北朝鮮で金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)に対する不平や抗議が出ていることを受け、当局が「不平分子の捜索」を担う組織を設けたと明らかにした。北朝鮮では今年1~7月の餓死者が直近5年間の平均より2倍以上多く、食料事情が悪化したとも報告した。同委の与党「国民の力」幹事を務める劉相凡(ユ・サンボム)議員が伝えた。

 劉氏によると、国情院は「(1990年代半ば以降に生まれた)チャンマダン(市場)世代を中心に金正恩一家と党の政策に対して遠慮のない不平や集団での抗議が起きているため、北の当局が地域の党の傘下に不平分子を捜し出す非常設のタスクフォース(TF)を新設した」と報告した。

 脱北者に関しては「北の(新型コロナウイルス対策の)国境封鎖以降は急減したが、今年はこれまでに99人が脱北しており、人数は昨年の3倍に増えた。国境が開放されれば増加の勢いがやや増すと予想される」と分析した。一方で、国境開放後も脱北ブローカーに払う費用が下がらない限り、脱北者の急増は見込みがたいとも説明した。

 国情院はまた、「北で1~7月に発生した餓死は約240件で、直近5年間の平均(約110件)の2倍以上に増えた」との分析も示した。

 北朝鮮経済について、2020~22年に3年連続でマイナス成長となり、22年の国内総生産(GDP)は16年比で12%減少するという経済の悪循環に陥っていると報告した。

 北朝鮮が経済難を打開するため、密輸やサイバー攻撃による金銭窃取などの違法行為にしがみついているとも指摘した。今年上半期(1~6月)の石炭の密輸出量は約170万トンで前年同期の3倍以上に増え、同期の金塊の密輸出量も約580キロと1.5倍に増えたという。

 また、北朝鮮は15年以降に15億ドル(約2190億円)以上の暗号資産(仮想通貨)を違法に窃取し、今年は総額1億8000万ドル相当のハッキングに関与したと推定されると伝えた。

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