セマングム世界スカウトジャンボリー、「温水洗浄便座が必要」と言われて予算増額…ドアを開けたら「くみ取り式」だった

韓国女性家族部・全羅北道の「ジャンボリー計画書」予算確保しながら施設は「ずさん」

セマングム世界スカウトジャンボリー、「温水洗浄便座が必要」と言われて予算増額…ドアを開けたら「くみ取り式」だった

 韓国女性家族部と全羅北道がボーイスカウト・ガールスカウトの祭典「第25回世界スカウトジャンボリー」の予算で、「これまでよりも2.4倍増やしてほしい」と訴えた際に根拠に挙げた事業のうち、その通り実行されたものはほとんどなかったことが17日に明らかになった。プレ・ジャンボリー、基盤施設造成、シャワー施設、温水洗浄便座などが必要だとして増額を要求したが、実現されていなかったということだ。実務を担った全羅北道と、これを監視しなければならない女性家族部が責任を果たしていなかったのだ。

【写真】トイレのドアを開けた光景に戸惑うチリのスカウト隊員

 女性家族部と全羅北道が共同で2020年8月に企画財政部に提出した「国際行事開催変更計画書」によると、両機関は総事業費の額をそれまでの491億ウォン(現在のレートで約54億円)から1190億ウォン(約130億円)へ、699億ウォン(約76億円)増額してほしいと要求した。つまり、従来の額より事業費を242.4%増やしてほしいと言ったのだ。増額理由は公約事項履行、プレ・ジャンボリー開催、基盤施設設置、大集会場造成のためなどだった。実際に大会直前までに投入された事業費は計1130億ウォン(約123億円)で、両機関が要求した金額とほぼ同じだった。

 両機関はジャンボリーの事前チェックを兼ねたプレ・ジャンボリーを開催するという理由で59億8200万ウォン(約6億5000万円)を要求したが、昨年8月に予定されていたプレ・ジャンボリーは全く行われなかった。用地埋め立て整備の完了が2022年12月になったためだ。

 基盤施設253億6200万ウォン(約27億6000万円)、大集会場造成59億ウォン(約6億4000万円)の予算も要求したが、ジャンボリー開幕日の今月1日までに完工には至らなかった。最終的にこの予算は235億ウォン(約25億6000万円)と30億ウォン(約3億3000万円)が割り当てられたが、今年7月までの予算執行率は62%に過ぎなかった。

 基盤施設の一つである「つたのトンネル」の場合、約5年間育てなければ日陰にならない植物をたった2年育て、トンネルにつたわせたために、ほとんど役に立たなかった。

 公約事項履行を理由に予算を要求した項目の中には「細心の配慮」というものもあった。57億9100万ウォン(約6億3000万円)の予算増額を要求したもので、衛星利用測位システム(GPS)により緊急の状況に24時間対処するという内容などだった。「安全なパーティションを備えたシャワー施設」や「温水洗浄便座・エアコン施設を備えたトイレ」もこの項目に含まれていた。しかし実際のジャンボリー会場でトイレは衛生面がひどく、シャワー施設はテント式になっていて不満が殺到した。チリのスカウト隊員がジャンボリー会場でいわゆる「くみ取り式」のような状態になっているトイレを見て驚く様子がインターネット上で公開されてしまった。

キム・テジュン記者

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