インド太平洋地域はなぜ重要なのか…貿易相手国の70%、韓国の国益に直結

 米大統領の別荘キャンプ・デービッドでの首脳会議を通じて新たなステージが開かれた韓国、米国、日本の協力関係はそのメインの舞台がインド・太平洋地域だ。全世界の人口の65%がこの地域に住み、世界のGDP(国内総生産)の62%もこの地域が占める。今やインド太平洋地域は地球上で最も早く成長する地域となっている。世界貿易全体の30%が通過する南シナ海は韓国にとっても原油や天然ガス輸送の半分を占める重要な海上交通路でもある。韓国政府は「インド太平洋地域の安定と繁栄は開放型通商国家である大韓民国の国益にも直結する」と考えている。

【図】インド太平洋地域の重要性

 韓国政府は昨年12月にインド太平洋戦略を発表し、その中で「大韓民国が成就した民主主義と経済成長をさらに整え、より大きく飛躍するにはインド太平洋地域の平和と安定がその支えにならねばならない」とのビジョンを示した。韓国は2021年時点でGDPに占める海外貿易の割合は85%に達していた。韓国は経済成長における輸出貢献度が絶対的に重要な開放型通商国家のため、この地域で法治や航行の自由など普遍的価値に基づく国際秩序が引き続き維持されることが非常に重要となる。世界の15大経済大国のうち7カ国がインド太平洋地域にあり、さまざまな懸案に関与する主要国との協力を拡大すれば、韓国外交の空間を広げる効果も間違いなく期待できる。

 韓国経済におけるインド太平洋地域の重要性は数値が証明している。まず輸出額全体の約78%、輸入額全体の約67%をこの地域が占めている。韓国の20大貿易相手国のうち半分以上の14カ国がインド太平洋地域にあり、海外直接投資の66%もこの地域に集中している。とりわけ韓国は貿易のほとんどを海上交通路に依存しているが、その多くが「ホルムズ海峡→インド洋→マラッカ海峡→南シナ海」を経て韓半島にやって来る。南シナ海は韓国が輸入する原油の約64%、天然ガスの約46%が通過するまさに重要なルートだ。

 ところが最近の中国の覇権主義、米中対立などの影響でインド太平洋地域で緊張が高まる事態が相次いでいる。中国が南シナ海でフィリピンやベトナムなどと海上の領有権争いを続けていることがその典型的な事例だ。今年2月には南シナ海上空で米海軍哨戒機と中国軍戦闘機がわずか150メートルの距離で対峙(たいじ)する一触即発の事態も起こった。ある外交関係者は「この地域である特定の国(中国)がルールと秩序を守らず、自分勝手に行動した場合は不確実性が増大し、韓国の経済と安全保障に深刻な影響が及ぶだろう」と指摘する。

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