韓国、台湾有事の際は米日と協力して共同対応する可能性も

南シナ海問題と北朝鮮の挑発は連動
韓半島にも危機が拡大する可能性

 韓国国防部(省に相当)は「韓国は台湾有事に参戦する義務はない」との立場を今も維持している。在韓米軍もその主要任務は北朝鮮に対する防衛体制の維持など、地理的に韓半島に限定しているため、台湾海峡で戦闘を行う可能性は低い。ただし台湾有事が南シナ海の領有権争い、さらには北朝鮮による韓国への大規模挑発なども招きかねないことから、韓半島が台湾有事に巻き込まれる可能性も指摘されている。韓米日首脳会議では今月18日「一つの国が脅威にさらされた際には相互に協議を行う」との点で一致した。これを受け韓米日の安全保障に直結する台湾有事の際には3カ国の協議が行われるとの見方も浮上している。韓米連合軍司令部の元幹部は「台湾有事に中国は北朝鮮に韓国への挑発を起こさせる可能性が高い」「在韓米軍は韓国軍と協力し、これら奇襲挑発の防衛に力を入れるだろう」と指摘した。

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 韓国国防部のある関係者は21日に本紙の取材に「韓国政府は台湾有事と関連して参戦などは検討していない」「ただし韓国政府は台湾を取り巻く情勢を綿密に注視し、国の防衛体制維持に向けた方策についてさまざまな角度から準備を進めている」と説明した。韓国政府は台湾と国交がないため、相互防衛条約なども締結していない。韓国軍のある関係者も「韓国軍は台湾有事に参戦する義務はなく、いかなる形であっても台湾を支援する方法を検討したことはない」と述べた。

 しかし専門家の多くは「韓国も非常事態への備えが必要だ」との点で一致している。台湾有事から距離を置きたくても隣接する主要国のため「対岸の火事」とするわけにはいかないからだ。一部では今回の韓米日首脳会議で「韓国は台湾有事に米国や日本と共同で対処することになったのでは」との見方も出ている。台湾有事は韓国の安全保障にも直結するため、今回の合意でむしろ韓国の立場を示す発言権が補強されたとも考えられるからだ。韓国国防研究院(KIDA)のパク・ヨンハン研究員は「台湾海峡の危機は東北アジアや東南アジアはもちろん、全世界の政治・経済・産業に深刻な影響を及ぼすだろう」「韓国の安全保障にも大きく影響すると予想されるため、積極的な対策に取り組んでおかねばならない」と指摘した。

 台湾有事をきっかけに、南シナ海での領有権争いが続く中国と東南アジア諸国との対立拡大が韓国にとって大きな危機につながるとの見方もある。インドネシアなどASEAN(東南アジア諸国連合)に加盟する複数の国が韓国の軽攻撃機を導入するなど、韓国と防衛面での関係を強化しているからだ。韓国防衛事業庁の関係者は「有事に南シナ海周辺の多くの国が米国や日本の側に立ち軍事面で支援を行う可能性が高いが、これらの国の多くがK武器を使用しているため、韓国も支援するしかない状況だ」と説明した。ただその一方で韓米連合軍司令部の元幹部は「台湾有事に中国は北朝鮮に韓国を挑発させる可能性が高い」「在韓米軍は韓国軍と共にこれらの奇襲挑発からの防衛に力を入れるだろう」と述べた。

盧錫祚(ノ・ソクチョ)記者

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