福島原発汚染水問題、反対していた太平洋諸島18カ国「懸念はあるが海洋放出を受け入れる」

フィジーやクック諸島などが立場を見直す

 香港の李家超行政長官は22日、ウェイボー(中国版SNS=交流サイト)に「日本の汚染水放出決定に強く反対する」「香港の食の安全と市民の健康を保証する」との考えを示した。中国本土でも先日から日本産水産物の輸入規制が全面的に強化された。先月以降、日本から輸入される水産物の放射能検査を強化したことを受け、日本産魚介類が中国の税関で足止めされる事態が相次いでいる。中国は昨年まで日本の水産物を最も多く輸入する国だった。香港環境生態局の謝展寰局長は23日「規制対象となる地域の水産物には放射能問題とその危険性があることを明確に認識すべきであり、これらの地域産水産物は香港に持ってこないよう提案する」と呼び掛け、日本旅行から帰国する際には日本から水産物を持ち込まないよう勧告している。

 中国とロシアは日本政府の放出決定について「科学的理由ではなく経済的理由で行われた」と非難してきた。両国は先月、日本側に「汚染水を蒸気とした上での大気中への放出」を検討するよう要求した。しかしこの提案について日本政府は「受け入れられない」との考えを伝えてきた。

 太平洋の島国は国際原子力機関(IAEA)が先月発表した調査結果を受け入れるという。18カ国からなる太平洋諸島フォーラム(PIF)の議長を務めるクック諸島のマーク・ブラウン首相は23日に声明を出し「日本政府による汚染水放出の決定はPIFと日本政府、並びにIAEAが28カ月以上かけて検討した末に出されたものだ」と説明した。ただしその一方で「全ての太平洋諸島の指導者が同じ考えではなく、太平洋諸島フォーラムとして一致した立場には到達できない可能性もある」とも明らかにした。各国で今も意見が一致していないことを認めた形だ。

 米国や欧州各国は放出を受け入れている。米国は「厳格な処理を経たと理解している」としてIAEAの検証結果を信頼する従来の立場を維持している。欧州連合(EU)は原発事故直後から行われてきた日本産水産物の輸入規制を今月3日に解除した。EU加盟国ではないノルウェーやアイスランドなども同じ日に輸入規制を撤廃した。米国は2021年、英国は2022年に福島県産食品に対する輸入規制を解除している。

キム・ナヨン記者、北京=李伐チャン(イ・ボルチャン)特派員

【図】福島汚染水海洋放出…海流の移動と韓国流入時期

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