韓国全土で6年ぶりに空襲訓練実施…緩み切った危機意識、関心のない市民【8月24日付社説】

韓国全土で6年ぶりに空襲訓練実施…緩み切った危機意識、関心のない市民【8月24日付社説】

 23日に全ての韓国国民が参加する、空襲に備えた民防衛訓練が6年ぶりに実施された。文在寅(ムン・ジェイン)前政権が中断させた訓練を再開しただけでもその意味は決して小さくはない。ただし訓練内容はあまりにも不十分だった。北朝鮮が弾道ミサイルを発射すれば、ソウルに到達するまで6分ほどしかかからない。空襲警報が鳴る前にミサイルが着弾する可能性も考えられる。警報が鳴っても外に出ようとする市民と訓練関係者の口論も各地で見られた。1200世帯が住むあるマンションの待避所では初等学校(小学校)児童1人しか避難しなかったケースもあるという。

【写真】空襲訓練中なのに…関心のない韓国市民

 これでは訓練が終了しても近隣の待避所がどこにあるかさえ把握していない市民がほとんどだろう。韓国行政安全部(省に相当)はインターネットを通じて待避所を公開しているが、有事にはインターネットも途切れる可能性が高い。車の移動規制もソウルでは世宗大路、国会大路、統一路の3区間でのみ実施され、それ以外の道路では普段通り車が走行していた。市民の気は緩み切って、政府は形だけの訓練、見せるための訓練で終わらせている。

 北朝鮮の核ミサイルに備える訓練も不十分だ。生物化学兵器は音声放送で、核兵器の場合は1分間にわたり波のようなサイレンが鳴って知らせる。生物化学兵器で攻撃を受けた場合は建物の高い場所に避難しなければならず、核攻撃を受ければコンクリート製の建物の地下深い場所への避難が必要だ。これらの事実はもちろんのこと、防毒マスクの着用方法や消火器の使い方さえ知らない市民がほとんどなのが実情だ。

 訓練の目的は、繰り返し実施することで非常時でも自然に体が動いて安全を守れるようにすることだ。北朝鮮による空襲はもちろん、地震や火災などに備える訓練も実際の状況を想定した「体験型訓練」へと見直すべきだろう。何よりも国民の誰もが民防衛訓練について「自分を守るため」という認識を持たねばならない。

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