MLB:右肘靱帯損傷の大谷、打撃はなぜ可能なのか

 「二刀流」の野球界のスーパースター・大谷翔平(29)=ロサンゼルス・エンゼルス=が24日の試合後、投手として投げる時に使う右肘の内側側副靱帯(じんたい)損傷と診断された。肘の靱帯を再建する、いわゆる「トミー・ジョン手術」をするかどうかはまだ決まっていない。大谷は2018年に同手術を受けている。球団はひとまず、「(今シーズンの)残りの期間、投手としては登板しない」と公式に発表した。投手としての今季の最終成績は23試合(132イニング)に先発登板し、10勝5敗(防御率3.14)167奪三振、被安打率1割8分4厘だった。ただし、右投左打の大谷は打者としての出場は続ける予定だ。現在、所属リーグ(アメリカン・リーグ)と米大リーグ(MLB)全体で本塁打1位(44本塁打)の大谷は、生まれて初めてのホームラン王を狙う。

 肘内側側副靱帯とは、肘の骨をつなげる組織だ。この靱帯が損傷すると痛みが生じ、断裂すると肘の骨がぶつかって骨にも問題が発生することがある。現在、大谷の靱帯損傷の程度は正確には分かっていない。ただし、打撃は可能なことから見て、完全に切れたわけではないとの見方がある。

 SPOTVの野球解説者で、韓国代表チームの投手コーチを務めた経験のあるヤン・サンムン氏は「(投球する時)伸ばす動作が与える負荷のため、右肘の靱帯を痛めたが、大谷は左打者なので打撃をする時は左腕に力を入れて伸ばす。引っ張る動作をする右腕は比較的負担が少ない」「だが、投げられないほど片腕の靱帯が損傷している場合、打撃にも問題がある」と話す。プロ野球KTウィズのク・ジャウク・トレーナーは「負傷の程度や痛みの強さによって違うだろうが、投げるたびに肘に衝撃がある投球とは違い、打撃は非常に深刻な損傷でなければ可能だ」「シーズンを終えてから本格的な治療を受けようという考えだろう」と言った。

 また、ソウル聖母病院整形外科のイ・ヒョジン教授は「肘の靱帯損傷は投手にだけ現れる現象であり、投手たちは損傷があった場合、活動を中止する」「打者はこの部位を負傷することはあまりなく、靱帯を損傷してプレーする打者は見たことがないのでよく分からない」と語った。その上で、「シーズン終了後、新たな契約をうまくリードするため、打撃でも活躍する姿を見せようとしているのではないか」との見方を示した。大谷は今季終了後、フリーエージェント(FA)資格を得る。

パク・カンヒョン記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲写真=NEWSIS

right

あわせて読みたい