林芳正外相「海洋放出、最後の一滴までIAEAが安全に関与」(下)【インタビュー】

福島問題で本紙とのインタビューに応じる

-韓日関係の正常化をどう評価するか。

 「日韓は国際社会のさまざまな問題に対して緊密に連携すべき重要な隣国同士だ。前例のない頻度で弾道ミサイルを発射する北朝鮮の問題、ロシアによるウクライナ侵攻、東シナ海と南シナ海で行われている(中国の)力による一方的な現状変更の試みといった問題がある。北朝鮮の場合、日韓が協力しながら米国とも連携している。今後(北朝鮮による核・ミサイル開発への制裁に対する)国連安全保障理事会決議を確実に実行に移し、北朝鮮の非核化を目標に進んでいかねばならない。来年は韓国が国連安全保障理事会の非常任理事国になる。国連安保理において日米韓3カ国の連携した対応が可能になるということだ。同時に北朝鮮との対話の道が開かれている点も前向きに考えている。(米国は国連安保理常任理事国で、日本は2023-24年に非常任理事国となっている。韓米日が同時に国連安保理の理事国となるのは1997年以来)」

-日本は北朝鮮との対話に向け接触を続けている。

 「岸田首相は(北朝鮮の金正恩〈キム・ジョンウン〉国務委員長と)条件なしで会う準備ができているとの考えを常に持っている。以前から継続して対話に向けた外交面での努力も重ねてきた。ただし現在いかなる状況かはお伝えできない。最近の日米韓3カ国首脳あるいはキャンプ・デービッドでの首脳会議で『(北朝鮮との)対話の道は開かれている』との認識で一致した」

-キャンプ・デービッドでの首脳会議で3カ国の安全保障協力はクアッド(米国、インド、日本、オーストラリアによる安保協議体)よりも強まったとの見方もあるが。

 「キャンプ・デービッドは歴史的な重みのある場所だ。3カ国首脳は日米韓の安全保障を新たな段階に引き上げた。クアッドは実務的な協力を行う4カ国体制だが、日米韓は『安全保障』そのもののため協力することを確実にした。大きな意味がある」

-最近の日本による防衛力増強の目的は中国けん制なのか。

 「日本が昨年12月に整理した『国家安全保障戦略』には日本を巡る安全保障環境が非常に難しくなったとの現状認識が記載されている。特定の国ではなく日本を巡る安全保障環境が難しくなったことに対応するため防衛費を増強する。中国が軍事行動に乗り出す可能性については直接の答えは控えたい。しかし台湾海峡の平和と安定は日本の安全保障はもちろん、国際社会全体の安定にとっても重要だ」

-次期首相として名前が上がっているが、首相の資質とは何だと考えるか。

 「これまで重要閣僚として首相に報告する仕事をしてきた。すぐ近くで見ていると、首相は『最後に決定を下す立場』だった。その後もう一度決定を下す誰かはいない。問題解決に向けた優れた能力やリーダーシップを含む人間力、素質などが求められる地位だと考えている。今は岸田内閣の大臣なので、毎日その職責を果たすことが私にとって何よりも重要なことだ」

東京=成好哲(ソン・ホチョル)特派員

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  • ▲日本の東京都内にある外務省庁舎で本紙とのインタビューに応じる林芳正・外務大臣。25日撮影。/成好哲(ソン・ホチョル)記者

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