「子どもに水産物食べさせられない」 木浦MBCインタビュー出演「漁師」は共に民主公認・地方選立候補経験者だった

「子どもに水産物食べさせられない」 木浦MBCインタビュー出演「漁師」は共に民主公認・地方選立候補経験者だった

 福島原発汚染水の海洋放出が始まった日、韓国公共放送局MBC放送の系列局である木浦MBCは「自分の子どもにも水産物を食べさせられない」という「漁師」のインタビューを放送した。「生産者が自分のとった物に対して不信感を表した発言」は、汚染水に関する否定的な印象を視聴者に強く与えた。ところがこの「漁師」は昨年の地方選挙に野党・共に民主党所属で出馬した人物であることが分かった。このため、放送の公正性をめぐる問題が取りざたされている。

【写真】第8回全国地方選(2022年6月)に共に民主党の公認を受けて出馬したカン・デソン氏

 木浦MBCは24日、「水産1番地全羅南道…実際の被害規模はどれくらい?」というタイトルのニュースを報道した。「福島原発汚染水の海洋放出が始まった瞬間、漁師たちが激怒した」という報道項目に続き、同日のニュースで2番目の項目だった。汚染水の海洋放出による不安のため消費縮小が続けば、韓国で最も漁師が多く、水産物生産量1位である全羅南道地域の経済全般に大きな打撃があるのではと懸念される、という内容だった。

 この報道は「水産物に背を向ける消費者を責めることもできない状況だ」として、新安郡の漁師のカン・デソン氏の声を伝えた。カン・デソン氏は「事実、水産物消費心理は既にどん底だ」「特にうちの子どもたちにはなおのこと食べさせられないだろう」と言った。漁師さえも家族に水産物を食べさせることができないというカン・デソン氏の発言は、動画共有サイト「ユーチューブ」の木浦MBC公式チャンネルのサムネイルでも強調されている。

 ところが、本紙の取材を総合すると、カン・デソン氏は昨年の大統領選挙で李在明(イ・ジェミョン)共に民主党大統領候補の新安郡予備選挙対策共同本部長を務めた人物であることが分かった。昨年6月に実施された全国同時地方選挙には共に民主党の公認を受け、新安郡議会「ラ選挙区」に「1-カ」番で出馬している。だが、3議席のうち2議席を選ぶ選挙で無所属候補者に16票の差をつけられて3位になったため、落選した。

 カン・デソン氏は先月1日、共に民主党が主催した福島汚染水関連政府糾弾集会にも参加した。今月20日には「親・李在明」系の国会外の人物の集まりである民主全国革新会議に参加するなど、同党関連の活動をずっと続けている。

 これと関連し、一部では「インタビュー対象者の選定過程において公正性が欠けている」と指摘する声が上がっている。放送審議に関する規定の第9条では「放送は当該事業者または従事者が直接的な利害当事者となる事案について、一方の主張を伝えることによって視聴者を誤導してはならない」と規定されている。

 これについて、与党・国民の力は「MBCは『政治家』を『漁師』に変えて福島汚染水怪談(デマ)流布の先頭に立っている」としている。国民の力のフェイクニュース・怪談防止特別委員会は28日に声明を出し、「カン・デソン氏が党の指示を受けてインタビューを受け、木浦MBCがこれをそのまま放送したならば、これは深刻な放送法違反に該当する」「MBCはインタビュー操作放送に対して直ちに謝罪し、該当ニュースを報道した記者とデスクを含め、共に民主党とフェイクニュースの謀議をしていなかったかを調査し、明らかにしなければならない」と述べた。

 共に民主党は原発汚染水の海洋放出に反対する見解を明確に打ち出している。同党の一部議員は27日、福島県で行われた「原発汚染水海洋放出反対集会」に参加した。李在明代表は28日の最高委員会議で「国民の誰もが世界の井戸である太平洋に毒を入れる日本の環境犯罪を容認しないだろう」「大統領が直接、核汚染水投棄に反対の意思を表明しなければならない。日本を国際海洋法裁判所に提訴すべきだ」と言った。

イ・ガヨン記者

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