金南局議員除名も否決、共に民主党の「基本的倫理の破綻」を嘆く【8月31日付社説】

 韓国国会で会議中に200回以上仮想通貨取引をした金南局(キム・ナムグク)議員(無所属)の除名案が30日、国会倫理特別委員会の小委員会で否決された。与野党3人ずつ6人が投票した結果、3対3の同数となり、過半数(4人)に至らなかった。民主党議員3人が反対票を投じたのだ。国民の力と正義党が共同で要求し、国会倫理諮問委員会も勧告した議員除名を民主党が阻止した形だ。表決に加わった民主党の宋基憲(ソン・ギホン)議員は「投票前に李在明(イ・ジェミョン)代表と相談したのか」という質問に対し、「特定人と相談したことは話せない。ほぼ大部分と相談した」と話した。

 金議員の問題は政治問題ではない。国会議員の存在理由と基本倫理に対する問題だ。金議員の行動は到底国会議員とは言えない。梨泰院雑踏事故について協議した国会常任委員会の会議の席で仮想通貨取引を行った。「あまりに小額なので正確には分からないが0.99個、金額は数千ウォン程度だ」とし、大したことではないと主張したが、実は会議中に行った取引だけで数百回に上ることが分かった。議員職よりも仮想通貨投資が本業だった。それだけでも議員失格だ。「カネがないので即席麺を食べる」と言っていたが、仮想通貨取引口座の現金性資産の残高は100億ウォン近くになった。民主党の大学生委員会でさえ「党の崩れた道徳性を象徴する事件」だと言った。金議員は批判が高まると、3週間近く行方をくらまし、国会に一度も出席しなかった。それでも歳費は全額受け取っていった。

 金議員は「取引内訳も隠すことはない」と言ったが口先だけだった。民主党の自主調査、国会倫理諮問委の調査などで毎回資料提出を拒否した。民主党内部で懲戒のための議員総会が開かれると、2時間前に離党し、国会倫理委が除名案表決を試みると、30分前に総選挙不出馬を宣言した。出馬しないという理由で民主党は金議員の除名案を否決した。出馬しなければいかなる不正も懲戒せずに免責するというのは民主党式の倫理なのか。金議員のような人物も除名しないなら、国会議員除名制度そのものをなくすべきだ。民主党が国会を掌握している限り、民主党出身議員に対しては今後いかなる懲戒も逮捕も不可能だ。金議員に議員資格がないと信じる国民は、民主党に公党の資格があるかどうかを次の選挙で問うことになるだろう。 

 それとは別に、金議員の仮想通貨取引に関する真相もまだ明らかになっていない。新規発行された仮想通貨への投資過程でのインサイダー情報利用、仮想資産課税を猶予し所得控除を拡大する法律を制定する過程での利害衝突など究明すべき疑惑が残っている。事件の全貌を明らかにするためには、結局捜査機関が乗り出さなければならない。

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  • ▲無所属の金南局議員が25日午前、国会教育委員会全体会議でスマートフォンを確認している/ニュース1

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