「ロシアは30年間東海に核廃棄物を投棄?」「トリチウム、韓中も年間数百兆ベクレル放出?」【ファクトチェック】

韓国大統領室首席秘書官の発言をファクトチェック

■中国は年間200兆ベクレル、韓国は190兆ベクレル放出?

 集計機関によって数値の差はあるが、中国などが毎年相当量のトリチウムを放出しているのは事実だ。韓国原子力安全委員会によると、韓国は昨年、原発施設から214兆ベクレルを海洋に放出した。中国は2020年に1054兆ベクレル、米国は19年1714兆ベクレルを放出した。

 もちろん、中国や韓国のトリチウム放出は正常に稼動している原発の冷却水から出たものである反面、津波で破壊された福島原発の場合、溶け出した核燃料に直接触れた汚染水だという点から、単純比較は難しい。しかし、2011年3月の東日本巨大地震直後、福島原発ではセシウムなど200種余りの放射性核種に汚染された地下水が何の浄化処理もされていない状態で1カ月間、1日100兆ベクレルずつ流れ出た。専門家らは、当時放出された放射性汚染物質の方が現在福島に保存されている汚染水より1000倍以上多いと推定している。

 韓国海洋水産部(省に相当)と原子力安全委員会は沿岸52カ所、沖合40カ所でセシウムやトリチウムなどの放射能汚染実態を定期的に点検している。2011年の福島原発事故後、これまで6581件行われた水産物放射能検査の結果、不適合事例はなかった。

■文在寅政権、日本提訴を放棄?

 事実だ。文在寅(ムン・ジェイン)前大統領は2021年4月、「原発汚染水の海洋放出を決定した日本を国際海洋法裁判所に提訴する案を積極的に検討せよ」と指示したが、検討段階で終わった。実益がなく、日本に海洋放出の名分を与えるばかりになると懸念したためだという。国連海洋法条約やIAEAなどは汚染防止のために適切な措置を取り、国際基準を満たす場合、主権国の汚染水海洋放出を禁止していない。

朴国熙(パク・ククヒ)記者

【答えはこちら】ロシアも? 韓中も? 福島原発汚染水ファクトチェック

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