関東大震災100年:立民・杉尾秀哉議員「喉に刺さったとげを放置したまま真の日韓和解は困難」

「関東大震災100年…埋もれる朝鮮人虐殺」

 杉尾議員の語る「国会図書館の公式記録」とは、いわゆる「斎藤実文書」のことで、斎藤実が朝鮮総督を務めた1919-27年、29-31年の間に記録された公式文書の一部を指している。当時、朝鮮総督府による調査の結果、少なくとも813人が虐殺されたとする記録がある。

-記録があるのに政府はなぜ否定するのか。

 「(日本の政権与党は)右派に対し非常に神経を使っているようだ。賠償という問題につながるのではと懸念しているようでもある。太平洋戦争も、当時日本は巻き込まれたのでやむを得ず起こした戦争だ、という人々が(右派の中には)存在する。侵略戦争ではない、という形式だ。関東大震災の朝鮮人・中国人虐殺も、そうした歴史修正主義の中にある。不都合な真実を避けているわけだ」

-韓日関係が改善されている。日本も変わるべきではないか。

 「日本政府が歴史的事実を認めてあらためて謝罪談話を出すべきだと思う。だが現時点では、岸田内閣が謝罪する可能性はないものとみえる。私の(朝鮮人虐殺に関する)問題提起も、国会議員個人の資格でやっていることであって、立憲民主党の党論ではない」

-100年も経過した事件についての謝罪が現実的に可能なのか。

 「関東大震災100周年の今を逃したら、永遠に(謝罪の)機会はないだろう。韓国の1人当たりの国民総生産(GNP)は日本を追い抜こうとしている状況なのに、日本では民族的なコンプレックスのようなものが出てきて、『韓国に謝罪せよ』という話が出るだけで私のような政治家が集中的に非難される。だが『過去に目を閉ざす者は結局現在にも盲目となる』という、故リヒャルト・フォン・ワイツゼッカー初代統一ドイツ大統領の言葉のように、いま一度掘り返して学ばなければならない。中央防災会議の報告書には『大きな災害が起きたとき、民族差別のせいで再びこうしたことが起きることもあり得る』という内容も含まれた。在日韓国人に対するヘイトクライム(hate crime・憎悪犯罪)のように、こんにちまでつながっている課題でもある」

-虐殺の再調査を韓日が一緒にやってはどうか。

 「韓国政府が日本政府に『100年なのだから朝鮮人虐殺を一度もっときちんと調査してもらえないか』と提案するのであれば、悪くない案だと思う。一方では、韓国と日本が紆余(うよ)曲折の末に最近関係回復をしているように見えても、依然としてそれほどの話をする雰囲気ではないという思いも抱く。仮に韓国が要求しても、日本が『そうしてみましょう』と答えるほどに、両国政府が親しい関係にあるわけはないらしいという意味だ。両国関係が以前より良くなったと言っても、日韓関係の現実はやはりこの程度ではないかと思う」

成好哲(ソン・ホチョル)東京支局長

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