中国人の訪韓活性化へ 団体客対象に電子ビザ発給手数料一時免除=韓国

【ソウル聯合ニュース】韓国政府は4日、中国の団体旅行客に対する電子ビザ(査証)の発給手数料を年末まで一時免除することなどを柱とする中国人の訪韓観光活性化策を発表した。中国人の訪韓団体旅行の再開を受け、今年下半期に中国人客を150万人誘致し、年間で200万人誘致を達成して韓国の国内総生産(GDP)成長率を0.16ポイント押し上げる目標を掲げた。

 中国は2019年まで国別の訪韓客数で1位を占めており、1人当たりの韓国旅行支出額は外国人全体の平均を38%上回っていた。政府は、今回の対策は新型コロナウイルス禍を経て中国人の個人旅行のニーズが高まり、団体旅行も細分化しているトレンドを反映したと説明している。

◇中国でマーケティング強化 団体客の電子ビザ発給手数料一時免除

 政府は中国の国慶節(建国記念日)連休(9月29~10月6日)を見据え、中国国内で多角的な訪韓旅行マーケティングを展開する。

 まず、韓国観光の魅力を発信する「K観光ロードショー」を北京と上海で今月開催し、来年には中国5都市で開く。携程旅行網(シートリップ)など中国の旅行サイト大手との協力を強化し、上海でのロードショー会場でホテル・航空券を販売したり、旅行サイトで韓国旅行のプロモーションを実施したりする。

 また、旅行業界の要請を受け、中国の団体旅行客を対象に1万8000ウォン(約2000円)ほどの電子ビザ発給手数料を12月31日まで免除する。米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の韓国配備を巡るあつれきで17年から中断していた中国の訪韓団体旅行が約6年ぶりに全面再開されたことを受け、韓国の旅行業界は中国人客の歓迎ムードを盛り上げる措置を取るよう求めていた。

 出入国の利便性を高めるため、韓中間の航空便を増便するほか、韓国への入港を申請した中国発のクルーズ船が接岸する埠頭(ふとう)も迅速に割り当てる。

 購買力の大きい中国人客を念頭に置いた政策も整えた。中国人客の増加を国内消費の拡大につなげる狙いだ。

 政府は主要観光地に位置するKビューティー関連の店舗や薬局など、新たに200カ所で税金の即時還付が可能になるよう支援する。微信支付(ウィーチャットペイ)や支付宝(アリペイ)など中国のスマートフォン決済の加盟店を25万カ所増やし、来月から付加価値税(消費税に相当)の即時還付サービスも提供する。

 また、ソウルに集中する中国人客の消費を他地域にも向けさせるため各地の在来市場や老舗をPRし、11月のコリアセールフェスタの期間中に免税店の割引イベントも同時開催する。

◇MICE誘致 高付加価値の観光商品も開発

 政府はMICE(国際会議、報奨旅行、展示会などの総称)の誘致に取り組み、カジノ、Kカルチャー、医療ツーリズムを取り入れた高付加価値の観光商品も開発する。これに向け、中国専門の旅行会社を対象に優れた観光商品を選定して品質認証マークを付与する。

 今月5日には、韓国国内の20機関と報奨旅行のニーズがある中国企業の関係者ら約170人が参加する「青島MICEロードショー」を開催する。

◇訪韓旅行の「質」向上へ 安値観光・過当競争を防止

 政府は一方、中国人客が急増した10年代に横行した過当競争や安すぎる旅行商品をなくし、中国人の訪韓旅行の「質」を向上させる方針だ。中国人客が本格的に増える今月から国慶節の連休が終わる来月6日にかけ、関係官庁や自治体、観光警察が連携して格安観光や違法な宿泊の予防に取り組む。

 また、無資格の観光通訳ガイドの営業行為を集中的に取り締まり、ぼったくりとの批判があるフェスティバルは政府の認証・支援対象から外す。

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