強制わいせつ犯が作った慰安婦追悼作品の撤去に反対する「正義連」【9月5日付社説】

強制わいせつ犯が作った慰安婦追悼作品の撤去に反対する「正義連」【9月5日付社説】

 ソウル市中区の南山にある慰安婦被害者追悼公園「記憶の場」に設置された「民衆美術家」林玉相(イム・オクサン)被告(73)の作品撤去に対して、慰安婦被害者支援市民団体を称する「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)」が反対した。「記憶の場」は朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長時代、慰安婦被害者を悼むために造られた公園だ。この公園の造成を総括企画し、作品2点を設置した林玉相被告はこのほど、女性職員に対する強制わいせつにより起訴され、一審で有罪判決を言い渡された。慰安婦を追悼する作品を性犯罪者が作るなどということは話にならない。このため、ソウル市は林玉相被告の作品を撤去することにしたが、他でもない正義連がこれを阻止している。慰安婦被害者たちに寄り添って女性人権運動をしてきたという団体になぜこのようなことができるのか、理解に苦しむ。

【写真】女性団体、ソウル市「記憶の場」作品撤去強行を糾弾

 正義連事務総長は「強制わいせつをしたアーティストが反省もなく(慰安婦被害者のために行動を)共にしたということに憤っている」としながらも、「撤去はこれほど急ぐべきことなのか納得できない。林玉相氏を口実に歴史を消そうとしているだけだ」と言った。怒っていると言いながら、なぜ撤去に反対するのか、強制わいせつ犯が作った慰安婦追悼作品をそのままにしておこうというのか、強制わいせつ犯の作品撤去がなぜ歴史を消すことになるのか、きちんと説明もしていない。詭弁(きべん)であることを自らよく分かっているのだろう。

 正義連は「戦時に女性の人権を蹂躙(じゅうりん)した日帝(植民地支配時代の日本)の蛮行を告発し、公論化した」と自負してきた。それならば、強制わいせつという犯罪に誰よりも憤るのは当然だ。慰安婦追悼施設に強制わいせつ犯の作品をそのまま放置するということは、慰安婦被害者たちだけでなく、女性運動全体に対する冒涜(ぼうとく)だ。労働運動家・全泰壹(チョン・テイル)の財団はソウル・清渓川にある林玉相被告の作品「全泰壹像」撤去問題を先日、検討し始めた。正義連は全泰壱財団より先に着手すべきだった。しかし、逆の行動を取っている。正義連には「慰安婦被害者支援」「女性の人権」より「民衆芸術家を守る」ことの方が重要な問題のようだ。正義連の元理事長で、慰安婦被害者たちに対する支援金を横領したとして裁判を受けている尹美香(ユン・ミヒャン)議員の事件も偶然ではないだろう。

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