韓国大法院は朝鮮総連を「反国家団体」認定…民団「北朝鮮の日本支部」

尹美香議員の朝鮮総連主催追悼式出席が波紋

 韓国で反国家団体に指定されている在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の行事に出席した無所属の尹美香(ユン・ミヒャン)議員を巡って波紋が広がっている。在日本大韓民国民団は4日、呂健二(ヨ・コンイ)団長名義の談話で「韓国の大法院(最高裁判所に相当)が1970年に『反国家団体』であることを認めた朝鮮総連は北朝鮮の核ミサイル開発を容認し、その政策に盲従する実質的な日本支部」と指摘し、尹議員の議員辞職を要求した。

【表】韓国で反国家団体に指定されている在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)

 尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は同日開催された韓国大統領室の首席秘書官会議で「自由民主主義の国体を揺るがし、これを破壊しようとする反国家行為に対しては政治陣営に関係なく全ての国民と共に断固たる対応を取るべきだ」と述べた。韓国大統領室の李度運(イ・ドウン)報道官が伝えた。韓国与党・国民の力も「朝鮮総連行事への出席は憲法違反だ」と指摘し、尹議員を除名するよう国会倫理特別委員会に提訴した。これに対して野党・共に民主党は張耿態(チャン・ギョンテ)最高委員が「韓国の共に民主党議員は米共和党の行事に出席してはならないのか」と反論し、また権七勝(クォン・チルスン)首席スポークスマンは「朝鮮総連の行事だから駄目という見方には同意し難い」として尹議員を擁護した。尹議員は韓国国会と韓国外交部(省に相当)に協力を求める文書を送付していたが、その際に朝鮮総連主催行事に出席する事実を明確にしていなかった。そのため国会と外交部は国会議員儀典として現地で車両による送迎などを提供した。一連の問題について国家情報院は「日本の情報機関と協力しながらファクトチェックを行っている」とコメントした。尹議員が国家保安法に違反していないか引き続き検討を進めるとみられる。

 1955年に創設された朝鮮総連は朝鮮労働党の外郭組織で、日本では北朝鮮代表部として行動してきた。韓国大法院は1970年に朝鮮総連に対する判決の中で「大韓民国を否定し、北傀(北朝鮮)を支持・称賛する反国家団体」との認識を示した。1974年の光復節慶祝会場で当時の朴正煕(パク・チョンヒ)大統領夫人の陸英修(ユク・ヨンス)氏を殺害した文世光も朝鮮総連に取り込まれていた。歴代の朝鮮総連議長は死亡後に北朝鮮の愛国烈士陵に埋葬される。

 この朝鮮総連に対して共に民主党の張耿態・最高委員は同日SBSラジオに出演した際「少しだけ親北性向がある程度」「それを持って今問題視するのは(困る)」と述べた。共に出演していた国民の力のキム・ビョンミン最高委員は「朝鮮総連をよく知らないのか」と指摘すると張委員は「いや、知っていますよ」「例えば韓国の共に民主党議員は米共和党の行事に行ってはならないのか」「(韓国)政府と与党は朝鮮総連をスパイ団体と主張しているのか」などと反論した。

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  • ▲写真=尹美香(ユン・ミヒャン)議員/NEWSIS
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