文在寅政権の「3大ファンド詐欺」再捜査で解明すべき疑惑【コラム】

 韓国では文在寅(ムン・ジェイン)政権下で大規模金融事件が3回も発生した。ライム、オプティマス、ディスカバリーの各投資ファンドを巡る事件だ。私募ファンドが銀行と証券会社を通じ、一般市民に投資商品を売ったが、ファンド破綻で売却ができなくなり、巨額の被害が発生した。

 金融監督院の推定によれば、合計で6635人が3つのファンドの商品に投資したが、2兆3076億ウォン(約2590億円)が回収できなくなった。被害額の内訳は▲ライムファンド4473人(1兆5380億ウォン)▲オプティマスファンド884人(5084億ウォン)▲ディスカバリーファンド1278人(2612億ウォン)--だ。これら私募ファンドは投資損失で売却が不可能になってもファンドの販売を続け、その資金で損失を埋める自転車操業を行い、被害は雪だるま式に膨らんだ。

 当時の政府はそんな状況になるまで手をこまぬいていた。意図的に放置するか、誰かが黙認したのではければ起こり得ないことだった。事件化後、これらファンドを捜査した文在寅政権の検察と警察も「庇護者」は解明できなかった。海外に逃げ遅れたファンド関係者と企業乗っ取り屋たちが法廷に立った。

 オプティマス事件では、いわゆる「ファンド瑕疵(かし)もみ消し文書」が登場する。民主党、金融界、法曹界の有力者がオプティマスのために行った活動をオプティマス代表がまとめた内部文書だ。ソウル中央地検は彼らの大半を嫌疑なしまたは立件見送りとした。当時捜査を指揮したソウル中央地検の首脳部は政権に最も忠誠な検察幹部で埋め尽くされていた。

 ライム事件の処理過程はドラマチックでさえある。秋美愛(チュ・ミエ)元法務部長官は長官就任直後の2020年1月、「検事不正の温床」だとし、ソウル南部地検の証券犯罪合同捜査団を廃止した。国内で最も強力な金融犯罪捜査組織がなくなった状態で、南部地検刑事部がその後のライム事件捜査を担当した。

 株価操作容疑者のキム・ボンヒョン氏は数人の検事を酒席で接待したことに加え、「尹錫悦(ユン・ソンニョル)検察総長が民主党側だけを捜査しろと外圧を加えた」という虚偽暴露を行い、捜査チームまで無力化させた。当時秋元長官はキム・ボンヒョン氏の「獄中書簡」が公開されると「検察総長指揮権剥奪」と「捜査チーム監察・捜査」で対応した。しかし、「獄中書簡」の主要内容が虚偽であることが明らかになり、今検察は作成の経緯と書簡を書かせた背後の存在を追跡しているという。

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  • ▲企業銀行のディスカバリーファンド詐欺被害対策委員会関係者は2022年6月8日、ソウル南部地裁前でファンド代表のチャン・ハウォン氏に対する逮捕状交付を要求する記者会見を行った/ニュース1

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