60年間性的搾取疑惑もみ消し…ジャニーズ問題で明らかになった「隠蔽共和国」日本

英BBC報道でやっと事態収拾に乗り出す

60年間性的搾取疑惑もみ消し…ジャニーズ問題で明らかになった「隠蔽共和国」日本

 1962年の創業以来、有名男性アイドル歌手やタレントを輩出し、日本最大手の芸能事務所として君臨してきた「ジャニーズ事務所」が創業者による練習生(ジャニーズJr.)性的搾取問題で没落の危機にひんしている。日本社会では、2019年にこの世を去ったジャニーズ事務所創業者・ジャニー喜多川氏(1931-2019年)の醜悪な性犯罪に驚愕(きょうがく)する一方、これに対する問題提起が1960年代から複数回あったのにもかかわらず、断罪せずに放置され、より多くの犠牲者が出ることになった経緯に対して反省が必要だ、という指摘もある。

【表】ジャニー喜多川氏と性的搾取問題(1964年~2023年)

 ジャニーズ事務所はSMAPや嵐など、デビューさせたアイドルグループの相当数が興行的に成功し、日本最高の芸能事務所として位置づけられている。「ジャニーズ問題」はその事務所創業者・ジャニー喜多川氏が生前、ジャニーズJr.たちを自宅に呼び、性的搾取を日常的に行っていたという暴露が相次ぎ、ついにめいに当たる社長が辞任、今月7日に謝罪会見をしたというものだ。ジャニーズ事務所創業直後の1960年代からジャニー喜多川氏の性的虐待を告発する暴露が相次いでいたが、日本の主要メディアや芸能界関係者はジャニーズ事務所という業界最高の「権力」を意識して黙認してきた。外国メディアの英BBC放送がドキュメンタリー番組でこれを暴露したことで初めて同事務所は性的搾取を認めた。ジャニーズ事務所出身の男性歌手カウアン・オカモト氏が4月に顔を出して記者会見し、「ジャニー喜多川氏から15-20回ほど性的被害に遭った」と語り、国連人権委員会も先月、ジャニー氏の性的搾取問題を指摘したが、その後に認めたものだった。

 今月7日午後2時、東京都内のホテルで、ジャニー喜多川氏の性的搾取問題に関するジャニーズ事務所の公式記者会見が初めて行われた。ジャニー喜多川氏のめいで同事務所社長だった藤島ジュリー景子氏はジャニー氏の性的加害を事実だと正式に認め、「被害者の皆様に心よりおわび申し上げます」と謝罪した。だが、アサヒグループ・キリンホールディングス・日本航空などの有名企業が「ジャニーズ事務所所属タレントを起用した広告を今後行わない」と表明、事実上の「ジャニーズ事務所離れ」が起こっている。

 日本では性的搾取事件に驚くと同時に、このようなことを60年間続けさせてしまった日本社会の文化・風潮やシステムを省みるべきだという自省の声が上がっている。被害者たちの告発が1960年代から数十年間相次いでいたのにもかかわらず、主な報道機関や芸能界、市民社会のほとんどがジャニー喜多川氏の行為を黙認してきたということだ。1960年代に別の芸能事務所が初めて暴露し、1999年には日本の週刊誌「週刊文春」が14回にわたって被害者の切実な声を伝える衝撃的な特集記事を出した。それでも、ジャニー喜多川氏に対する断罪は行われなかった。

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