日本が「韓半島統一」を文書で支持したのは初めてだ【寄稿】

キャンプ・デービッド首脳会談で合意、「自由で平和な統一韓半島」
韓米日3カ国協力を順調に進めるためには韓日関係の突出を防ぐべき
独島問題での摩擦を軽減させるため、両国間の海洋境界協定を急ぐべき

 一部で「米日との密着が中国の反発を招き、韓国外交独自の空間を制約する」という懸念も提起されているが、中ロ朝3カ国の結束が強化されている状況で、レバレッジを犠牲にして身動きの幅を広げたところで、プラスになることはない。中国を「高い山の峰」として受け入れ、「中国の夢」に追従するのであれば、中国の反発は避けられる。しかし、反発を避けようとしてレバレッジを放棄したら、屈従を自ら招くだけだ。

 北朝鮮も、これまで民生を犠牲にして開発してきた核ミサイルを使うのが一層困難になった。3カ国間のミサイル警報データのリアルタイム共有と共に合同演習を定例化したことによって、北朝鮮が核ミサイル発射を試みても、これを一層効率的に探知・迎撃できるようになったからだ。また、北朝鮮のハッキングと暗号資産窃盗を遮断する実務グループが立ち上げられたことで、北朝鮮の違法な外貨稼ぎはさらに困難になった。キャンプ・デービッド共同声明が「自由で平和な統一韓半島」を支持していることも注目される。統一の方法についての言及はなく、統一の最終状態のみを明示したことも特異で、日本が韓半島統一を共同声明を通して明示的に支持したのも初めてだ。

 だが、3カ国協力体の発足は素晴らしいが、その土台は微弱極まりない。来年11月の米国大統領選挙でトランプが当選する惨事が起きたら、3カ国協力は動力を喪失する。韓国で反日根本主義勢力が政権を取ったら、韓日関係は無事ではあり得ず、韓日関係が破綻したら3カ国協力も終わる。3カ国協力を覆し難いものにしようと思ったら、これを内実化し、韓日関係の潜在的悪材料を除去しなければならない。独島に対する日本の所かまわぬ領有権主張や東海表記問題が、3カ国協力の雰囲気を壊しかねない。従って、独島問題での韓日の摩擦を軽減する案として、韓日間の海洋境界協定の締結を試みる必要がある。2016年の常設仲裁裁判所(PCA)の南シナ海領有権紛争判決を援用すれば、独島が韓国の排他的経済水域(EEZ)に入る解法を見いだすことができる。東海で韓米日間の合同軍事訓練を実施しようとしても、訓練海域の表記問題が本質を色あせさせる突出した悪材料になりかねない。海洋境界協定と東海表記問題を一括妥結させる案も検討する必要がある。

千英宇(チョン・ヨンウ)元韓国大統領府外交安保首席・韓半島未来フォーラム理事長

【写真】会談を終え記念撮影に臨む韓米日の首脳

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  • ▲韓国の尹錫悦大統領(写真左)と日本の岸田文雄首相(同右)が2023年8月18日(現地時間)、ワシントンに近い米国大統領の別荘「キャンプ・デービッド」で韓米日首脳共同記者会見を終えた後、握手をしている様子。中央の後ろ姿はジョー・バイデン米国大統領。/写真=聯合ニュース

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